The environmental history of Hong Kong: Relationships between human and feral macaque monkeys
Project/Area Number |
22K12530
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80010:Area studies-related
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
足立 薫 京都産業大学, 現代社会学部, 准教授 (10802150)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 民族霊長類学 / エスノプライマトロジー / 地域環境史 / マカク属 / 野生動物 / 共存 / 人と動物の関係 |
Outline of Research at the Start |
人間がほかの動物や植物とどのように関わって生活してきたかを示す地域環境史の試みは、人間を含めた生き物の共存様態の過去を知り、その未来を描く上で重要である。香港では都市に隣接した人為的環境に、複数のマカクザルが野生状態で生息し、人間の活動の影響を強く受けている。また、同時に人間の活動もマカクザルの存在に影響を受けている。本研究では人―サルの相互作用による共存関係を、人類学と霊長類学の手法を融合する民族霊長類学の視点で解明する。行動観察やインタビューに加えて、文書資料を用いることで、人―サル双方の社会的環境の歴史的変動を複数の側面から関係づけ地域環境史を構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
香港の入境規制が解除されたことから、調査の再開のための体制を構築した。COVID-19対策のために中断した期間の香港、新界地域の野生マカクザルの状況について、AFCD(香港漁農自然護理署)やOPCF(香港海洋公園自然保護基金)のスタッフらと情報共有する機会を持ち、フィールド調査が可能であることを確認した。今後、これまでに得られたデータの考察を論文として投稿するとともに、COVID-19後の人間とサルの関係について、継続して調査を行う予定である。また、香港の公文書館(歴史档案館:Public Records Office)で調査を行い、郊野公園設立時の行政文書の資料を収集した。1960-1970年代の香港における自然保護への関心と意識の高まりについて分析し、論文として投稿予定である。 7月にシンガポール、国立公園局のJohn Sha博士の招聘により、国立公園局で混群とアジアのマカク類の種間関係についての講演を行った。また、シンガポールのカニクイザルと人間の関係について現地で観察を行った。11月には、二つの科研費プロジェクトとの共催で、民族霊長類学に関する国際シンポジウムをモデレートした。アジア各地の野生霊長類と人間の関係を対象とする研究者を招聘し、この分野に関する日本では初めての国際シンポジウムとなった。シンポジウムでは全体の調整を1年間かけて行い、ワークショップ企画として日本のニホンザルによる獣害対策を行う地域との交流や、GPSを用いた人間-動物研究のシンポジウムとの連携も実施し、当該研究で培ったネットワークをさらに拡大して強固なものとした。シンポジウムの成功により、アジア地域のマカク属やその他の野生霊長類と人間の関係を、民族霊長類学の視点から総合的に検討する研究体制の基盤が整備できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVIC-19による香港への入境規制が撤廃され、以前と同様にフィールド調査ができるようになった。休止期間のフィールド状況の確認を行う中で、感染症対策による社会状況の変化が人間―野生動物関係に与える影響についても、新たなテーマとして研究計画に加えることができた。これまでの分析に加えて、休止期間を取り戻すように現地調査と成果発表を計画している。
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Strategy for Future Research Activity |
中断していた現地調査を再開させるにあたり、今年度は体制の再構築に重点をおき、継続している直接観察による行動データの収集を可能とした。AFCD(香港漁農自然護理署)と緊密に連携し、今後も郊野公園が実施する人とサルの関係に関する施策の変動に対して、人間とサルがどのように対応しているのかの観察を実施する予定である。地域住民からの聞き取りの回数を確保し、民族誌データをさらに蓄積する。香港の歴史社会的状況と、新界地区の郊野公園の設立の関係についての文献収集と分析を進めており、今後は不足する情報の収集と考察、論文執筆を行う予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)