シンガポールと英国の文化政策における大英帝国時代文化遺産への評価変化の比較研究
Project/Area Number |
22K12551
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80010:Area studies-related
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
平島 みさ (奥村みさ) 東洋大学, 社会学部, 教授 (40296942)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 文化遺産 / 多民族・多文化社会 / シンガポール / 英国 / ナショナリズム / ポストコロニアリズム / 文化政策 |
Outline of Research at the Start |
本研究ではシンガポールと英国の文化政策における大英帝国時代の文化遺産への評価の変化を分析、比較検討し、両国における相違点と共通点を抽出するとともに、新たに生起している諸問題を明らかにする。特にシンガポール独自のポストコロニアリズムの在り方について注目する。 本研究の特徴としては、両国における大英帝国時代の「伝統文化遺産(歴史)」に対する文化的多様性の挑戦に注目する点である。両国では近年、ニューカマーが急増し、多文化化が進行している中、マジョリティ文化が如何にしてマイノリティ文化を国民文化に取り込もうとしているのか、についても考察する。この点はナショナリズムと「文化の所有権」の議論にも関連する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、シンガポールと英国の文化政策における大英帝国時代文化遺産への評価の変化を比較検討することにある。 今年度はシンガポールにおける独立当時から現在までの自国史における植民地時代の評価の変遷についての調査を実施した。3年ぶりの海外出張が叶ったので、現地文献調査と博物館訪問を中心に研究を進めた。出張目的は次の2点。①現地での資料収集、関連書籍購入、②大英帝国時代の象徴的文化遺産 (建造物)の現状調査の実施である。 ①では特に、国立図書館にて1965年独立の次年度1966年~現在の政府発行年鑑のうち、紙媒体発行の1966年度~2008年度年鑑を閲覧し、英国植民地時代と日本占領下時代に関する記述具体的な内容と分量の変化を調査した。高校の歴史教科書では植民地時代も「現社会形成初期」から「近代史の一段階」という扱いへの変化が如実に読み取れた。②では、シンガポール国家遺産局(National Heritage Board)が2022年7月から11月に実施した“ SG Heritage Plan 2.0”の内容を検証し、また現地旧コロニアル地区に整備されたHeritage Trail、第一次大戦、第二次大戦の記念碑などを実際に歩きながら、現在のシンガポールから見た旧植民地時代について巡検した。また、国立博物館における英国植民地時代と日本軍政下時代の展示方法についても、過去の展示方法との比較の観点から調査を実施した。特に第二次大戦末期英国軍の降伏、その後日本の敗戦後に英国復帰当時の映像の選択、キャプションには、国際関係の変化が明確に反され興味深く観察した。今年度は所属学科改編2年目に学科長を担当し、学務に多忙を極めたため、研究会発表のみで、まとまった執筆をすることができなかった。本年は収集した資料を基に調査報告をまとめたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究調査については、おおむね予定通りに進展している。 ただし、アウトプットについては、研究実績の概要にも記した通り、今年度は所属学科改編2年目に学科長を担当することとなり、学務に多忙を極めたため、研究会発表のみで、まとまった執筆をすることができなかった。本年は収集した資料を基に調査報告をまとめたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
所属学科における学科長の任期は1年間のみなので、今年度2023年度は学務・校務負担も通常に戻り、また海外出張もほぼコロナ禍前に戻りつつあるので、調査分のアウトプットに努めるとともに、英国での調査も実施したいと考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)