Project/Area Number |
22K12659
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80030:Gender studies-related
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Research Institution | Momoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
萩原 久美子 桃山学院大学, 社会学部, 教授 (90537060)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2025: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | 労働運動 / 保育運動 / 専門職 / ケアの倫理 / 保母/ 保育士 / 保母/保育士 / 保育 / 社会運動 / 女性労働 / ケア |
Outline of Research at the Start |
現在、社会問題として注目される保育士/保育者の低処遇問題は市場の論理による公的保育制度改革と不可分であり、平等・民主的社会におけるケアの価値の議論を欠いている。本研究の課題は市場の論理のオルタナティブとして構築されてきたフェミニスト政治理論、すなわちケアの倫理を土台として、公的保育制度をめぐって保育運動、労働運動、母親/女性運動として展開また個別に議論されてきた運動を、ケアリング・デモクラシーの実践として横断的に把握、分析することにある。その焦点は保育における「労働者」概念、処遇と社会的評価に密接にかかわる専門性、そしてこれらをめぐる各種運動の連携と分断の様相である。
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Outline of Annual Research Achievements |
国際社会学会(オーストラリア・メルボルン)で、日本における保育の市場化過程と保育労働力の再編をテーマに研究成果の一部を公表した。 当該報告では、保育分野における市場化過程において「市場に適合的な労働力」の創造が目指され、保育者の資格代替政策が展開したことに着目した。その過程で、資格代替政策は保育士の「専門職」というフレーミングを動揺させ、有資格者である保育士の「専門職」としてのアイデンティティの模索を永続化させていることを指摘した。他の一般保育者に対して、有資格者である保育士は職務の「専門化」「高度化」による境界戦略を展開しているものの、保育現場では保育労働者一般という社会的経済的評価が依然としてあり、より一層の高度化を自身に課す「専門職の罠」というべき状態を導き出していることを指摘した。 次年度の論文発表に向けて、本年度は労働運動との交差、保育運動との交差を念頭に、保育、子育て支援をめぐる母親の運動を歴史的視点から整理し直した。着目したのは二つの運動である。一つは1950年代後半ら1960年代にかけての「働く母の会」を中心とする共同保育実践と、そこから展開した保育所つくり運動である。もう一つは1990年代以降の専業主婦の母親を中心とする地域の子育て支援拠点つくり実践である。これら運動、実践を日本の福祉レジームはどのように組み込んできたのか。史資料を基に、検討作業を進めた。 そのほか、間接差別裁判を事例とする女性運動と労働運動に関する研究会報告、保育政策と労働政策に関するテキストの執筆を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
保育労働運動、保育運動、女性運動の連関を俯瞰できるまでの史資料の検討がなしえたという段階には至っていないものの、次年度に予定をしていた国際学会での報告を前倒しで実施できたこと、ヨーロッパの研究者との論文集公表に向けての準備が進んでいることから、「おおむね順調」と判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
前述したように、本年度、労働運動との交差、保育運動との交差を念頭に、保育、子育て支援をめぐる母親の運動を歴史的視点から整理し、それら運動が公共政策へと組み込まれる過程に着目をし、分析を進めた。 日本型福祉国家の離陸時に展開された「働く母の会」の共同保育実践は労働運動、保育運動との全国的な連携を生み出した。当時の革新自治体、さらに国家とのダイナミズムにおいて、保育政策は大きく前進する一方で、日本型福祉国家は積極的に伝統的な性分業を組み込み制度化していく。一方、1990年代以降の専業主婦の母親を中心とする地域の子育て支援拠点つくりは、主として横のつながりを基盤としつつ、政策コミュニティとの強い連携を築き上げていった。2015年に開始された子ども子育て支援新制度において、その多くが公的制度化されている。この分析を次年度は論文化し、国際研究の一つとして発表することを目指している。 引き続き「働く母の会」「保母の会」の活動、保育運動史の資料を読み込む。新たな知見、論点を探る作業を継続する。
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