スマートフォン保有によるパーソナルスペースの変化とその特質
Project/Area Number |
22K12691
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 90010:Design-related
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
西應 浩司 大阪工業大学, ロボティクス&デザイン工学部, 教授 (70364239)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2023: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
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Keywords | パーソナルスペース / スマートフォン / コミュニケーション / 視覚行動 / アイトラッカー / 性差 / 視線計測 |
Outline of Research at the Start |
この研究は、人間の視知覚のしくみから導かれた人間のための空間づくりを追求することの意味について問いかけ、今後の学術的・技術的に注力を必要とする分野とその方向性を示すものである。実在の空間でのコミュニケーションに関する創造的発展を目指す社会的な取り組みの波及と振興につながるものと考える。本研究のデータの分析および考察結果は、多くの人々がスマートフォンを所持したうえで形成されている現在のパーソナルスペースとその特質を踏まえた空間設計における効果予想、既存の空間のコミュニケーションの発生の質的向上を図るリノベーション計画の効果予測を行う上で、有効な知見として活用可能と考えられる。
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Outline of Annual Research Achievements |
20代の若者のパーソナルスペース(*以下PS)とコミュニケーションの意識について実験的検討を行った。アイマークレコーダーを装着した実験協力者2名は接近し、E・ホールのPSの距離の段階(密接距離、個体距離、社会距離、公共距離の4つの対人距離)を認識した時点でボタンを押してサインを発する。その過程を動画で記録した。被測定者(初対面である20代の男性30名)に優位脳検査、心理テストを実施し、空間に対する認識の特徴と属性による分類を行った。アイマークレコーダー、アンケート等から、PSを形成する距離の段階を区別する数値的指標を得る。歩行実験結果、PSの平均値は公衆距離1894.2cm、社会距離866.5cm,個体距離144.8cm,密接距離11.3cmであった。これはE・ホールの知見の密接距離0~45cm,個体距離 45~120cm,社会距離 120~360cm,公衆距離 360cm 以上と比較すると、密接距離は同様の傾向だが、個体距離はE・ホールの知見による上限の1.2倍、社会距離は上限の2.4倍と大きく増加していた。昨年度の実験結果と比較すると、個体距離で0.4倍、密接距離で0.1倍であった、これは,被測定者の属性を本研究では男性のみとした今年度と、両性とした前年度の実験で、性差の影響が出たものと考えられる。また各対人距離のSP保有の有無による影響は検定結果、有意な差はみられなかった.その理由として、本実験で15分程度被測定者のSPを実験者が預かった程度では被測定者自身とSPとの分断が不十分だったと考えられる。各対人距離での心境をみたところ、対人距離が短くなるにつれて,不安感の増加が確認された. 視線計測実験より,全被測定者の各対人距離の申告時前後計2秒間の視線停留頻度を表記した。殆どの被測定者がどの対人距離においても正対している被測定者の顔面付近に視線が停留する傾向が確認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
E・ホールによる対人距離の実験と比較して、現在はその距離が大きくなっていることが分かった。性差を無くした(2023年度に実施した実験の実験協力者は全て男性)今回の実験においても、これは昨年度の研究と同様の傾向がみられている。 しかし、スマートフォン保持、不保持での対人距離の差が実験計画時よりも顕著に検出されていない。前年度と同一の実験を継続して、データの信頼性を大きくするという考え方もある。だが、スマートフォン保持、不保持での対人距離の差が無いのか非常に微細なのか、あるいは実験方法によって測定が出来ないのかについて判断するには未だデータが不足している状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度、2023年度の実験では、スマートフォン保持、不保持での対人距離の差が実験計画時の予想よりも顕著に検出されていない。その差が無いのか、非常に微細なのか、あるいは実験方法によって検出が出来ないのかについては未だ不明確である。そのため、2024年度の実験では、スマートフォン保持、不保持での対人距離の差を確かめるために、被測定者の属性の設定として新たなものを加える案を考えている。それは、実験時にスマートフォン保持、不保持という設定は変えず、被測定者の性別も全て男性として、ある一定期間のスマートフォン使用時間の平均値から、長時間スマートフォン使用者、短時間スマートフォン使用者といった条件で被測定者の属性をカテゴライズするというものである。予想としては、長時間スマートフォン使用者は、短時間スマートフォン使用者と比較して、スマートフォンへの依存性が高いと考えられるため、測定者自身とSPとの分断による効果が強くなる可能性がある。それは対人距離にも影響を及ぼすと推察する。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)