Project/Area Number |
22K12713
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 90010:Design-related
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Research Institution | Fukuoka Nursing College |
Principal Investigator |
原 やよい 福岡看護大学, 看護学部, 講師 (40807096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄山 茂子 福岡女子大学, 国際文理学部, 教授 (40259700)
中島 富有子 福岡看護大学, 看護学部, 教授 (80592980)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | 寝具 / 色彩 / トーン / 印象 / 入院患者 / 看護師 / 精神科 / 精神科入院患者 / 快適性 / 印象評価 |
Outline of Research at the Start |
わが国では、2013年より精神疾患が5大疾病のひとつとなった。さらに、昨今の新型コロナウイルス感染症流行下で、メンタルヘルスに問題を抱える国民の増加や自殺者の増加が問題となり、今後さらに精神科での入院治療を必要とする患者の増加が予測される。精神科では、長期間に及ぶ入院が、入院患者にとってストレスの要因となっている。そのため、精神科病院では患者のストレスを軽減させる快適な病室環境が必要である。 本研究では、患者にとって最も身近である寝具の色や柄に着目し、入院生活に対するストレス緩和を目的に、異なる色や柄の寝具に対する印象を調査し、快適性の高い寝具を提案するとともに指針を作成する。
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Outline of Annual Research Achievements |
精神科病床では、一般病床と比較して患者の入院期間が長いため、快適な入院環境の提供が必要である。入院患者に快適な空間をつくるため、色を活用した取り組みがなされているが、多くの病院で寝具には白を採用しているのが現状である。精神科患者を対象に、白とペールトーン5色相の寝具の印象を調査した先行研究では、心理的快適性の評価が高いのは、ペールトーンの青であった。 先行研究ではペールトーンを用いた色相の比較であり、トーンによる違いについて明らかにしていない。そこで、精神科患者を対象に、異なる6トーン(ぺール、ダル、ブライト、グレイッシュ、ディープ、ライト)の青色の寝具について、病室でのふさわしさとイメージについて調査した。 男性患者、女性患者共に、ふさわしい寝具にはペールトーンを、ふさわしくない寝具にはグレイッシュトーンを最も多く選択した。ペールトーンの寝具に対し、女性患者は男性患者よりも「落ち着き、癒される寝具である」と回答した。また、女性患者の方が異なるトーンの寝具に対し抱く色の印象の差が大きいことが確認され、色に対する繊細さの性差が確認された。因子分析の結果「心理的快適性」と「明るさ・暖かさ」が抽出された。「心理的快適性」では、女性患者のグレイッシュトーンの評価よりも、女性患者のペールトーン、ライトトーンの評価が有意に高く、他のサンプル間では有意差はみられなかった。このことから、心理的快適性の評価が高い青色では、グレイッシュトーン以外であれば、どのトーンの寝具でも、精神科病院に推奨できることが確認できた。また、グレイッシュトーンは、青味が少なくやや暗いため、色彩効果が十分に発揮されず、評価が低かったと推察された。「明るさ・暖かさ」では、多数のサンプル間で有意差がみられ、寝具のトーンとイメージの一致が確認されたことから、患者が求める療養環境に合わせた寝具の選択が必要であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、病院寝具の色や柄に着目し、精神科入院患者にとって快適な寝具のデザインを明らかにすることを目的としている。2022年度は、先行研究を踏まえ青色の異なるトーンの寝具の印象について、精神科に入院中の患者および精神科に勤務している看護師を対象に調査を実施した。2023年度はデータを比較分析し、患者の視点から精神科病院で推奨できる寝具のトーンについて、学会発表し、学会誌に投稿し報告した。精神科入院患者に求められる寝具の色相、トーンが明らかになったことから、次に、寝具の柄の研究に着手している。ペールトーンの青の水玉柄、花柄、ストライプ柄、格子柄のサンプルを作成した。作成したサンプルに無地の白、ペールブルーのサンプルを加えた合計6サンプルの印象について、精神科に入院中の男性患者30名、女性患者30名、精神科に勤務している男性看護師28名、女性看護師32名を対象に調査を終えていることから、研究計画全体においておおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
入院期間が長期化している精神科入院患者にとって、心理的に快適な寝具のデザインを明らかにすることを目的に、白とペールトーンの5色相を用いて寝具の色に対する印象について調査した結果、患者にとって心理的快適性の高い寝具の色は、ペールトーンの青であった。また、異なる6トーン(ぺール、ダル、ブライト、グレイッシュ、ディープ、ライト)の青色の寝具についての調査では、患者にとってグレイッシュの寝具の心理的快適性が低いことが明らかとなった。この結果を踏まえ、今後は、柄に着目して、ペールトーンの青の水玉柄、花柄、ストライプ柄、格子柄に無地の白とペールブルーのサンプルを加えた合計6サンプルに対する患者が抱く印象について調査結果を分析し、報告することを計画している。 また、病院での寝具の採用に関しては、管理上の問題から看護師の考えが反映される。そのため、寝具のトーン、柄に対して看護師の抱く印象について調査結果を分析して、精神科入院患者と看護師がともに高く評価する寝具のデザインについて検討する。
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