Project/Area Number |
22K12744
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 90030:Cognitive science-related
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
片山 正純 福井大学, 学術研究院工学系部門, 准教授 (90273325)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 身体意識 / 運動主体感 / 身体所有感 / 仮想身体 / 把持可能性 / 構造的類似性 / 身体の機能性 / 身体モデル / 機能性 |
Outline of Research at the Start |
身体所有感を説明するための機能的身体モデル仮説は,我々が主張している構造的類似性と密接に関係している.この観点から,身体の機能性が身体所有感に関与しているかどうかを調査する.さらに,我々が構築した実験パラダイムによって手の身体モデル(脳内身体表現)を一時的に変容させることにより,身体所有感における身体の機能性と身体モデルとの関係を詳細に調べ,我々が提案してきた道具の認知過程を説明する脳内シミュレーション仮説との関係についても議論する.
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度には,2022年度に実施した計測実験において,計測手順と設定した実験条件では身体意識に関する評定値に問題が生じたため,実験手順と条件を実現するパラメータを見直して,計測実験を実施した.また,2022年度では被験者が少なかったため,右利きの学生10名(男性8名,女性2名:年齢22.9±0.88)が同意後に参加し,計測を評価を行った. さらに,2022年度とは異なる観点から,身体の機能性としての把持可能性(把持できるかどうか)に着目し,身体意識との関係をより詳細に調査した.本実験には,右利きの学生10名(男性9名,女性1名:年齢22.2±1.14)が同意後に参加し,構造的類似性と把持可能性に関する2要因の被験者内計画で実施した.構造的類似性の要因では変形なし仮想手と変形あり仮想手とし,変形あり仮想手は,仮想手の第2-第3関節間の長さを2倍とした.変形なし仮想手と変形あり仮想手で同程度に把持しやすい70mmの対象物を用いた.把持可能性に関しては,仮想手の指関節の回転を制限した条件としない条件とし,仮想空間内で対象物を把持ができない条件を実現した.各条件において把持課題を10試行繰り返し行い,その後身体意識に関するアンケートを行い,7段階のリッカート尺度で評価した.この結果,運動主体感では構造的類似性に関して有意差は認められなかったが(p>.05),把持可能性では有意差が認められた(p<.05).身体所有感では,構造的類似性と把持可能性のそれぞれにおいて有意差が認められた(p<.05).このため,把持可能性の要因に関しては,運動主体感が身体所有感に影響した可能性も考えられる.しかし,運動主体感の評価値は全条件で非常に高いため,運動主体感が身体所有感を低下させた可能性は低いと考えられる.従って,構造的類似性と把持可能性の両要因が身体所有感に影響すると考えるのが妥当であろう.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度の研究目標である「身体の機能性(把持可能性)が身体所有感に影響するかどうかを明らかにし,さらに身体の機能性と構造的類似性の関係についても調査する」が概ね達成できたため,順調に進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
我々のグループでは,仮想手に対する身体所有感が成立している場合に,脳内の身体モデル(脳内の身体表現)が変容することを報告した.この観点から,2024年度には,2022年度と2023年度に実施した研究と関連して,同様の実験条件において運動課題を繰り返し試行したとき,脳内の身体モデル(脳内の身体表現)が変容するかどうか調査する.
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