Project/Area Number |
22K12752
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 90030:Cognitive science-related
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
井上 和哉 東京都立大学, 人文科学研究科, 准教授 (50631967)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 単純接触効果 / 生態学的妥当性 |
Outline of Research at the Start |
単純接触効果とは,頻繁に接触したものに対して好意度が高まる現象である。単純接触効果のモデル化に関わる重要な特徴として,接触頻度と好意度の関係が逆U字型になる(過剰な接触が好意度を低下させる)という点がある。しかし,このパターンは短期間に過剰な接触を行うことにより,刺激に対して飽きや馴化が生じやすい実験室実験特有の結果である可能性がある。そこで本研究では,(1)日常での接触頻度と好意度との関係を検討するための研究手法を開発し,(2)日常での接触頻度と好意度の関係が逆U字型のパターンを描くのかを検討する。具体的には,日本語コーパスを用いて,コーパス中での文字の出現頻度と好意度との関係を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,(1)日常での接触頻度と好意度との関係を検討するための研究手法を開発し, (2)日常での接触頻度と好意度の関係が逆U字型のパターンを描くのかを検討することである。 昨年度の研究では,仮名文字を用いて魅力度と接触頻度との相関関係を明らかにしたため,今年度は研究結果の一般性を保証するため,漢字のデータを用いて,魅力度と接触頻度との相関関係を検討した。具体的には,日常的に使用する漢字を100個程度提示し,見た目の魅力度を評定することを求めた。その結果,日本語コーパスからカウントした漢字の出現頻度の対数値と魅力度との間に正の相関が認められた。この結果は,表記形態にかかわらず,仮名文字や漢字への接触は魅力度を高めることを示しており,本研究手法の妥当性及び研究結果の一般性を示している。また,接触頻度と魅力度との間には逆U字型の関係は認められなかったため,実験室での短期的な単純接触効果と日常での長期的な単純接触効果は異なるメカニズムを反映している可能性が考えられる。ただし,上記の分析では,刺激の物理的複雑さの効果や刺激の形態的特徴の効果は考慮されていない。このため,一般化線形混合モデルを用いて,それらを統制しても同様の知見が得られるかを,今後確認する必要がある。それにあたり,刺激の物理的複雑さと主観的複雑さの関係も把握しておく必要があるため,その分析も行い,現在論文の投稿を行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度中に異なるサンプルを対象にした調査を行い,研究手法の妥当性と研究結果の一般性をさらに確認する予定であったが,刺激の選定や参加者の確保に時間がかかり,実施することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
参加者の確保に関しては,共同研究を行うことにより,解決の目処がたった。新たな調査で使用する実験刺激の選定に関しては,研究補助のアルバイトを雇用することにより,推進する予定である。
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