他者行為の主体-動作-客体構造の知覚認識についての比較認知研究
Project/Area Number |
22K12755
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 90030:Cognitive science-related
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
松野 響 法政大学, 経済学部, 教授 (90588047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒島 妃香 京都大学, 文学研究科, 教授 (10536593)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 比較認知科学 / 行為知覚 / 他者行為の理解 / 霊長類 / 比較認知 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、ヒトとヒト以外の霊長類が、主体-動作-客体の三項からなる他者行為の構造をどのように知覚認識しているかについての種間比較をおこなう。ヒト以外の霊長類に、動作シンボルを習得させ、それを用いた動画の再認課題をおこなうことで、一つの動作事象から、主体、動作、客体の情報をどのように抽出しているのか、またそれら複数の情報をどのような順序構造をもつものとして表象しているのかを検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ヒトにおける他者行為の知覚認識の進化的背景を明らかにするため、ヒトおよび近縁の霊長類種を対象として主体-動作-客体の三項からなる他者行為の構造の知覚認識特性を比較検討することを目的としている。 本年度は、昨年度実施した実験課題を発展させ、フサオマキザルを対象に他者行為の知覚認識に関する新しい課題の学習訓練およびテストをおこなった。実験では、他者行為の動画像を観察した後、その行為の主体、行為の動作種、行為の対象物の3つの情報のうちランダムに選択された2種類について、それぞれ3つの選択肢の中から動画像と合致するものを順に選択する再認課題を用いた。この課題により、オマキザルが他者行為を観察した際、他者行為を構成する複数の要素を同時に保持し、それらの記憶表象に継時的にアクセスすることができるのか、また、そのような記憶表象へのアクセスの順を自分で制御できる際に再認のパフォーマンスが向上するのか否かを検討した。実験の結果、オマキザルは複数の要素の継時的な再認課題をチャンスレベル以上の正答率で解くことができること、また、解答すべき要素の順が決められている場合と比べて、自身で解答順を選択できる条件でのパフォーマンスの向上は見られないことが明らかとなった。この結果は、オマキザルが他者行為の記憶表象の複数の要素を継時的に利用できる一方、そのような記憶表象の鮮明さ等の内的な手がかりに応じて適応的に課題解決方略を変更できるわけではないことを示唆している。今後、この成果をもとに、1つの動画を観察後解答する情報を、主体、行為、対象物の3種類に増やし、それらの記憶表象間の相互の連関について分析し、また、ヒトを対象とした同様の実験を実施しその結果を種間で比較することで研究を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の研究を基礎として、予定通り、動物を対象とした行動実験研究を遂行した。昨年に引き続き、動画を用いた課題の学習には時間がかかり、訓練期間が想定していたよりも長期に渡ることとなった。そのため、一部、今年度予定していた実験の実施を来年度におこなうこととなったが、次年度、実験の実施期間を長くとることで、計画通りの研究を実施する予定である。以上より、計画はおおむね順調に進展していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
本計画開始時にたてた研究計画に基づき、次年度、ヒトおよびフサオマキザルの行動実験を継続する。フサオマキザルを対象とした実験は、今年度までに訓練し習得した課題を援用することで、円滑な実験の実施をおこなうことができる。同時に、ヒトを対象とした比較実験を勧め、得られた比較分析の結果を成果としてまとめる研究発表をおこなう。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)