Project/Area Number |
22K12757
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 90030:Cognitive science-related
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
菅野 禎盛 九州産業大学, 商学部, 教授 (90352103)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
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Keywords | 行為主体感 / フィードバック遅延 / 時間的再較正 / 感覚運動協応 / 実験心理学 |
Outline of Research at the Start |
動作に対する応答の遅延は自分がその動作を実行しているという感覚(行為主体感)を低下させ動作のスムースな遂行を妨げる。本研究は遅延の大きさや生じ方に関する事前知識(メタ認知的知識)を持つことが遅延に対する知覚的順応を促進させるかどうか、そしてそれにより行為主体感が高まり動作の遂行がスムースになるかどうかを心理実験によって系統的に検証することを目的とする。本研究ではまず聴覚的フィードバック(動作の後に音)について検討し、次に視覚的フィードバック(動作の後に光)について検討することで感覚モダリティを超えた現象の一般性について検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
遠隔会議システムやVRシステムでは使用者の操作に対するシステムからの応答に遅延が避けられない。応答の遅延は行為主体感を低下させ動作のスムースな遂行を妨げる。現実場面では遅延の大きさが不明なことが多いが、予め遅延に関する事前知識(メタ認知的知識)があれば遅延への適応が促進される可能性がある。本研究は遅延に関する知識や気づき(メタ認知的知識)が遅延への知覚的順応に及ぼす影響を心理物理学的手法により実験的に検証することを目的とする。R4年度は過去にオンライン実験により取得したデータをベイズ統計モデリングにより分析し、対面実験の結果をオンライン実験で再現できることを確認した。また、実験データをベイズモデリングにより分析するための統計モデルを策定することができた。R5年度は聴覚フィードバックの遅延への知覚的順応に及ぼすメタ認知的知識の影響をオンライン遠隔実験により検討した。また実験データのベイズ統計モデリングによる分析をさらに進め、個々の実験参加者のパラメータ間の相関分析を行った。この結果、予想通り同時性の時間窓の幅と信号検出理論に基づいて算出した同時性判断の識別感度との間に相関があることを確認することができ、ベイズ統計モデリングによる分析結果の妥当性を確かめることができた。また、事前知識が順応に及ぼす影響については、同時性判断と行為主体判断で質的に異なる影響が観察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度の計画遂行遅れの影響を引きずっているためである。本年度は、聴覚フィードバックの遅延への知覚的順応に及ぼすメタ認知的知識の影響をオンライン遠隔実験により検討した。また実験データのベイズ統計モデリングによる分析をさらに進め、個々の実験参加者のパラメータ間の相関分析を行ない、研究成果を国内学会で発表した。計画では視覚フィードバックに関する実験まで実施する予定であったが、初年度の計画遂行遅れの影響により未実施に終わった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、動作(例えばボタン押し)に対する感覚フィードバック(動作完了を示す光や音)の遅延の大きさや生じ方に関する事前知識(メタ認知的知識)が、遅延に対する知覚的順応を促進することで行為主体感を高め動作の遂行をスムースにするのではないかという仮説を立て、ボタン押しの後に呈示される視覚フィードバック(光)と聴覚フィードバック(音)を遅延させる心理実験によってその仮説を系統的に検証する。R6年度は、引き続き遅延の大きさや生じ方を事前に知らせるグループと知らせないグループとで遅延に対する知覚的順応に差が生じるかどうかを、クラウドソーシングサービスを利用したオンライン実験により検討する。聴覚的フィードバック(動作の後に音)についてはR5年度に検討済であるため、R6年度は視覚的フィードバック(動作の後に光)についてオンライン実験を実施し、感覚モダリティを超えた現象の一般性について検証する。
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