Project/Area Number |
22K12862
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 90130:Medical systems-related
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
武村 哲浩 金沢大学, 保健学系, 教授 (70313674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 直樹 藤田医科大学, 保健学研究科, 准教授 (00549884)
中山 和也 金沢大学, 保健学系, 准教授 (80242543)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 変形画像照合 / ゲル線量計 / 放射線治療 / FLASH放射線治療 / 線量分布変形 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,現在研究が進められているFLASH放射線治療技術で使われる電子線を用いた放射線治療において, 放射線があたった範囲およびその線量の評価が重要になる. 電子線を用いた放射線治療ではボーラスと呼ばれるゼリー状の物質を体表面に配置する. このボーラスを,放射線があたると線量に応じて色が変わるゲル線量計に置き換えることであたった電子線の線量分布が正しいかを評価する手法を開発する.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は, FLASH放射線治療を見据えた将来の放射線治療のために, 電子線による放射線治療に対する線量分布の検証方法としてボーラス状色素ゲル線量計を開発し, 放射線治療時に患者に与えられた放射線の表面線量分布の取得および解析方法を確立することが目的である. 昨年度の検討によりゲル化剤としてゼラチンの代わりにPluronic F-127を用いたゲル線量計で放射線に対する感度が低いことが示された. Pluronic F-127の温度特性は冷却すると溶解し熱すると凝固するため, ボーラス状色素ゲル線量計として優位な特性をもつ. そのため, 2023年度はPluronic F-127を用いた色素ゲル線量計の組成を最適化し感度の改善を試みた. また同時にシート状となるボーラス状色素ゲル線量計の読み取り線量の比較対象となる放射線治療計画での線量分布をdeformable image registration(DIR)技術により変形する手法を検討した. ボーラス状色素ゲル線量計はシート状に作成され放射線治療においてボーラスの代わりとして患者体表面に配置しそこに照射された線量を読み取る. ボーラス状色素ゲル線量計の読み取りは, フラットベッドスキャナーを用いて平らにして読み取られる. 比較対象となる線量分布は, ボーラス状色素ゲル線量計が体表面に配置された状態で撮影されたCT画像を用い, 放射線治療計画をおこない計算された線量分布となる. これら線量分布を比較することで照射が正しく行われたかを確認する. しかし, 治療計画での線量分布は体表面にボーラス状色素ゲル線量計が配置された状態で放射線が照射された際の線量分布であるため, 比較するためには画像上のボーラス状色素ゲル線量計への線量分布を平面上にする必要がある. そのため, DIR技術を用いることを検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度の研究により, Pluronic F-127をゲル化剤に用いたゲル線量計の感度向上に限界があり, 他のゲル化剤を検討せざる得なくなった. 放射線感受性色素として使用しているロイコクリスタルバイオレットの濃度を0.3 mM - 0.7 mM, 増感剤となるナノクレイやジブロモメタンの濃度をそれぞれ0.0 - 0.4 %と30 mM - 50 mMで検討したが, 当初開発したゼラチンを用いた色素ゲル線量計の感度の半分にも満たなかった. 現状ボーラス状色素ゲル線量計としフラットベッドスキャナで線量の読み取りを行った際には, 放射線による色変化を確認できるまでに数十Gy以上の線量が必要となった. 通常放射線治療で用いられる線量は2-10Gy程度であり, 放射線治療での使用には向かないと判断した. そのため改めて40度程度まで温度耐性があるゲル化剤を検討することとした. 候補となるゲル化剤はすでに検討しており,温度耐性や感度等を確認する予定である. DIR技術による治療計画CT画像での線量分布画像の変形においても,変形させるには多くの対応点を設定しDIRを実行させる必要がある事がわかった. 単純な変形の場合に少なくとも16点程度の対応点を手動で設定する必要がある. そのためDIRによる線量分布の変形ついても限界があることが示された. こちらはその他の画像処理手法により克服可能であり最終年度に検討予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
まずボーラス状色素ゲル線量計のゲル化剤について, 候補となるゲル化剤はすでにあり, 今後,硬度, 温度耐性や感度等を確認する予定である. その後, 電子線を用いて市販のボーラスとボーラス状色素ゲル線量計の間で線量の吸収や散乱の違いの有無を検討する. ボーラスは基本的には水等価物質とされているが,その確認を行うことになる. 水等価性の確認ができれば色素ゲル線量計も水等価性が示されているためボーラスをボーラス状色素ゲル線量計へ置き換え可能と判断できるようになる. ボーラス状色素ゲルは線量計としては1回しか使えないため,初回の放射線治療でボーラスと入れ替えて使用し, 残りの放射線治療での照射はボーラスを使用することを検討しているため放射線に対して市販ボーラスと等価である必要がある. 線量の比較においても, フラットベッドスキャナーで読み取ったボーラス状色素ゲル線量計の線量分布と比較できるように画像処理により線量分布を変形させるプログラムを作成中である. DIR技術に変わるやり方として検討する. どちらも可能となった際には, ボラーラス状色素ゲル線量計を人体ファントムの上に乗せCT画像を撮影し, その画像で模擬的な治療計画を建て, 実際に照射後, ボーラス状色素ゲル線量計から線量読み取り, 同時に治療計画から基準となる平面に変形したボーラスへの線量分布を取得し, 互いに比較するEnd-to-endの精度検討を行い, あわせて不確かさ等の評価を行う予定である. ボーラス状色素ゲル線量計の開発, 線量分布変形の手法, end-to-endでの評価それぞれで論文化を目指す.
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