Project/Area Number |
22K12958
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 01010:Philosophy and ethics-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
李 太喜 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (70943661)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 自由意志 / 自由 / 責任 / 非因果説 / 反自然主義 / 自由意志論 / 分析哲学 / 非合理性 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、自由意志とは何か、自由意志はこの世に存在するのかについて哲学的に検討するものである。これまで自由意志は人の自律性や合理性と強く結びつけられて考察されてきたが、むしろ非合理性と自由こそ結びつけられるべきだと論じる。さらに、そのようにして考えられる自由と、科学的な自由否定論がどのような関係を持つかが改めて考察されることで、「自由が存在する」ということの意味自体を検討し、科学的に捉えることが出来ない自由概念の存在の余地を肯定的に示すことを試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、単著『自由と自己の哲学――運と非合理性の観点から』を出版した。これは本科研費事業のうち、自由と運、非合理性の関係性について、概念的に検討する部分をまとめたものである。 研究は概ね計画通りに進んだ。また、道徳的責任を巡っては、当初の研究計画以上に広がる議論を展開できた。当初は、道徳的責任とは別の文脈から自由概念の価値を論じるとしていたが、源泉性に注目するタイプの自由と責任の関係性に焦点を当て、フランクファート型事例に対して「全面的フランクファート型事例」を通じて批判を行なうことで、自由と責任に関係性に対しても一定の擁護を行なうことが出来た。 2023年度は、本科研事業にかかわる研究としては、この単著を仕上げる作業に時間を費やすこととなったが、この単著にはさらに発展可能な研究の素地となる議論も多くふくまれるため、2024年度はいくつかの論文投稿という形で、更にこの成果を広く発信していきた。 また、この単著の研究の先にある自由の反自然主義的実在論にかかわる研究については、自由論における非因果説についての文献講読を進めることができた。スコット・セホンのような両立論的非因果説などを知ることができ、私の研究の広がりの可能性を感じたとともに、様々な懸念を乗り越える必要性があることも理解できた。2024年度には、ここまでの研究状況をまとめたものを口述発表、レヴュー論文として成果発表し、同時に私独自の反自然主義的理論の構築を進めて生きたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度は、家族のケガ、育児などに時間を取られることになってしまったために、自由の概念的研究が2023年に一年ずれ込むことになった。2023年は少なくとも2022年に行なうべきであった研究を完了させることができ、目標としていた単著の完成にも至った。 一方で、2023年度に当初予定していた心や行為の反因果説の研究に関してはやや手薄に終わってしまった。2024年度は、この点をフォローしつつ、2024年度に当初予定していた「実在性」の研究を遂行し、遅れを取り戻したい。
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Strategy for Future Research Activity |
やや遅れてしまっている研究状況を取り戻すべく、2023年度の研究内容も2024年度に取り入れることで、2024年度で後れを完全に取り戻し、2025年度へつなげたい。
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