Bhaisajyaguru and Amitabha: A Comparative Study of the Development of Pure Land Buddhism in India
Project/Area Number |
22K12975
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 01020:Chinese philosophy, Indian philosophy and Buddhist philosophy-related
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
吹田 隆徳 佛教大学, 総合研究所, 特別研究員 (70910751)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 薬師 / 阿弥陀 / 悲華経 / 浄土経典 / 聞名思想 / 大乗仏教 / 薬師経 / 無量寿経 / 浄土教 |
Outline of Research at the Start |
インドにおける浄土教の展開を調査する一環として、本研究では《薬師経》と《無量寿経》をはじめとする浄土経典の比較を行う。聞名思想などの浄土思想を複数選定し、どの年代の資料になると加上され、なぜ加上されたのかを考察することによって、思想ごとの発達過程を明らかにし、インドにおける浄土教の思想的変遷を跡づける。将来的に行う浄土教の起源の調査を念頭に、薬師・阿弥陀から阿シュクに至る三仏を比較する研究の基盤を形成する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は主に薬師仏経典の研究を行い、今後比較を予定している阿弥陀仏経典の分析に一部着手した。以下、二項に分けて報告する。 まず薬師仏経典にかんして、最古の薬師経とされる『抜除過罪生死得度経』(大正 No. 1331)の訳注研究を公開した。さらに、諸本対照と分析により、この経典に聞名思想が付加されていく過程を明らかにし、その背景に考えられる思想的変遷についての一見解を提示した。聞名思想が付加された結果、年代の新しい資料では、聞名により薬師仏の功徳を享受するという構造が成立している。しかし、それらの資料で「仏の名を聞く」とある部分は、より古い資料と対照することによって、本来は「経を聞く」と説かれていたことが知られるのであり、聞く内容が経から仏名へと変化していることがわかる。このことから、薬師経の発達過程において、経巻信仰から仏名信仰への思想的変遷があったと推定した。そして、その変遷が起こった具体的な年代として、諸漢訳の訳出年代を手掛かりに、5世紀から7世紀のあいだを想定した。 次に阿弥陀仏経典にかんして、『悲華経』サンスクリット原典からの訳注研究を、五島清隆、吹田隆道、壬生泰紀らと共同作業のもと公開した。今回公開したのは第4章のアラネーミン王の誓願から授記が説かれる範囲であり、先行訳としては岩本裕の抄訳が存在しているが、我々が公開した訳注研究では、原典の批判的校訂が行われ、より原典に忠実な訳となっており、願数など先行訳とは異なる理解が示されている。 この経典では、アラネーミン王こそが後に阿弥陀仏となる人物であり、その誓願は阿弥陀仏の本願に他ならない。その本願については既に多くの研究成果が残されているが、聞名思想の観点からこれを見直し、上述した薬師経の発達史と関連させて考えることにより、新たな視点からの研究成果が期待される。今回公開した『悲華経』の訳注研究はその研究資料のひとつとなる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
『薬師経』の研究により、聞名思想のような、阿弥陀仏経典と比較する上で有効な項目を複数選定できている。また『薬師経』の分析のみにとどまらず、『悲華経』における阿弥陀仏の本願の分析を既に終えるなど、阿弥陀仏経典の分析に一部なりとも着手することができている。 当初、阿弥陀仏経典の分析は第二年度から行われる予定であったが、これに該当する文献が複数存在し、異本を含めば非常に多くの文献が対象となることや、これまでに積み重ねられてきた先行研究も多く存在し、その整理にも時間が必要とされるので、できるだけ早く、本年度のうちに着手されることが望ましかった。これらの点に鑑みると、本研究はおおむね順調に進展していると評価することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では阿弥陀仏経典の分析に主軸を置いていく。これには非常に多くの文献があるが、初期ならびに後期『無量寿経』、『阿弥陀経』を中心としながら、同じく阿弥陀仏が登場する『般舟三昧経』と『悲華経』を取り上げる。各経典に共通する浄土思想を選定し、経典毎に見る発達段階に注目することで、発達史的観点から各経典の整理を行う。 その整理を行った上で、薬師経の成立と発達が、それぞれ、どの段階に位置しているかの調査を行う。この調査は、(1)阿弥陀仏経典が発達する過程で消失あるいは追加された思想があるかどうか、さらに、それらの内で、(2)薬師経が引き継いだと思われる思想が見出せるかどうか、という二つの観点から行う予定である。 また、『悲華経』の訳注研究について、既に公開したアラネーミン王以降、第4章では王子たちの誓願と授記がさまざまに説かれるが、この中には将来に阿シュク仏になると授記される者がいるなど、本研究を継続する上で重要な内容が説かれているため、現在共同で行っている『悲華経』第4章の分析についても継続して行う。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)