Project/Area Number |
22K12990
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 01040:History of thought-related
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Research Institution | The University of Kitakyushu (2023) Kobe University (2022) |
Principal Investigator |
齋藤 公太 北九州市立大学, 文学部, 准教授 (40802773)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | 古典受容史 / 明治国学 / 日本浪曼派 / 近代日本思想史 / 日本文学 / 古典 / 国学 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、近代日本の知識人によって日本の「古典」が定められ、それらが再解釈されていく歴史を一つの思想史として読み直すものである。近代という時代のなかで、日本の「古典」が持ち得た思想的意味を明らかにすることを目的とする。具体的には明治期の国学者・国文学者、および昭和期の日本浪曼派を中心とする古典研究に着目する。これらの古典解釈を比較することで、古典をめぐる思想の多様性や変遷を解明していく。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近代日本の知識人によって日本の「古典」が定められ、それらが再解釈されていく歴史を一つの思想史として読み直し、近代という時代のなかで、日本の「古典」が持ち得た思想的意味の解明を目的とするものである。第二年次にあたる令和5(2023)年度においては、基本的に当初の計画通り資料の調査と分析を進め、研究成果の発表とウェブサイトの作成を進めたが、下記のように多少の計画の変更も生じた。以下、内容を大別して研究成果の概要について述べる。 第一に、本年度は前年度に十分に考察を行うことができなかった日本浪曼派や保田與重郎に焦点を合わせ、研究を進めた。従来から取り組んでいる近代の『神皇正統記』受容史の研究と結びつけることで、昭和期の「古典」受容史の思想史的側面について明らかにすることができ、その成果を論文(「詩心による変革:保田與重郎の後鳥羽院論と『神皇正統記』批判」)として発表した。また西尾市岩瀬文庫や東京大学附属総合図書館において、小中村清矩など明治期の国学者の古典研究に関わる資料の調査を行った。 第二に、古典受容史についての研究成果にもとづき、学生や社会人、外国人を対象とした日本文化史の入門書(『日英対訳で読みひらく新しい日本文化史』)を執筆した。これは研究成果を一般社会に発信するという点で大きな成果であるが、他方で本書の執筆に多くの時間と労力を割いたため、当初計画していた国際学会などでの研究発表や文献リストの作成が困難になった。 こうした状況を受けて研究計画を変更し、研究補助者を雇用して、『万葉集』や『新古今和歌集』などの古典に関する研究文献の調査とリストの作成を行ってもらった。作成されたリストはウェブサイト上で公開した。以上が第三の成果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究業績の概要の欄で述べたように、令和5(2023)年度においては単著の執筆に多くの時間と労力を費やしたため、国際学会での発表を行わないなど、当初の研究計画からの変更が生じた。しかし、他方では当初の計画通り明治国学や日本浪曼派についての資料調査・収集と研究を進め、論文を発表することができた。また、単著の刊行は当初の計画を超える大きな成果であるといえる。さらに研究補助者の雇用によってより効率的に研究成果を挙げることができた。以上をふまえ、研究は「おおむね順調に進展している」と評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度においては日本浪曼派(保田與重郎)についての論文を発表したが、本研究のもう一つの柱である明治国学については、資料の調査は進めているものの、いまだその成果は発表していない。したがって令和6年度は明治国学についての研究成果を何らかの形で発表することが一つの目標となる。また、第一年次から取り組んでいる近代の『神皇正統記』の受容史についての研究成果も発表していきたい。以上をふまえ、近代の「古典」受容史全体について一つの見取り図としての思想史像を提示することが最終年度である令和6年度の最終的な目標である。 また、令和6年度も引き続き研究補助者を雇用して文献リストの作成などを進め、効率的な研究計画の遂行をはかる。
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