Project/Area Number |
22K12994
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 01040:History of thought-related
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Research Institution | Doshisha University (2023) International Research Center for Japanese Studies (2022) |
Principal Investigator |
藤本 憲正 同志社大学, 人文科学研究所, 嘱託研究員 (90847203)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | Interreligious Dialogue / Ethics / Wilfred Cantwell Smith / Hans Kung / World Peace / 人権 / 宗教間対話 / 世俗主義 / 伝統 / 社会的共同性 / W・C・スミス |
Outline of Research at the Start |
現代の社会の多様化を反映して、政治思想面では、西欧文化を背景とした理性を基礎とする自由民主主義と世俗主義が捉えなおされ、多様さの中における公正な社会的合意形成が模索されている。しかし、理性か宗教かを問わず、個人の多様な立場を尊重しつつ、公正な社会的合意を担保するような社会的共同性の創出の方法はいまだ明らかではない。とくにナショナリズムに陥らない形で、宗教や伝統などの文化的資源を活用する創出の方法は明確ではない。そこで本研究では、そのような多様な個人からなる社会的共同性の創出方法の解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、初年度に引き続き、資料調査と論文の執筆を行った。資料調査では、継続的に基本的な書籍の読解と整理を行った。テーマのキャントウェル・スミスの「世界宗教論」について見直した。また、先行研究をもう一度探し直して、論点の明確化と現在の研究動向の再把握に努めた。加えて、夏にドイツに調査滞在する機会を得たが、テュービンゲン大学を拠点にして、関連研究者に研究動向を聞いたり、図書館で資料調査や論文のメモを書いたりした。研究テーマについて、周辺の学術動向を知ることができた。とくに、現代のドイツ社会での人権とキリスト教の関係に注意を促された。それを踏まえて、成果論文の内容をより明確にすることができた。その後、成果論文の執筆をつづけ、説得力のあるものにするために難航したが、一応、令和5年末には完成することができた。推敲を経て、現在は、英語論文を雑誌に投稿した。要旨は、ドイツの神学者のハンス・キュングの平和への視点を、科研の題名にある宗教学者のキャントウェル・スミスなどと対比して、特徴を示した。その際、とくに宗教の歴史性に対する考え違いに着目して、本研究課題である社会的共同性をめぐる立場の違いを検討した。それを通して、諸宗教間の平和に対するアプローチの違いの理由を示した。現在、査読結果を待っており、その結果を踏まえて、今後の対応を検討する予定である。本研究課題としては、後一年の期間を残しており、さらなる研究の発展を目指して、調査課題の洗練化と現在の研究動向について調査を続けるつもりである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和五年度は、本来の計画では、アメリカでの資料調査を行う予定だった。しかし、勤務先の変化などにより、時間が取れなかった。そこで、科研の実施期間を一年延長した。しかし、すでに論文を投稿できたので、一応の進展を達成し、一定の成果が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
科研の期間を一年延長した。当初計画にあったアメリカでの調査は、令和六年の夏に行う予定である。円安の影響により予算が不足すると考えられるので、滞在期間は短期間になると考えられる。 投稿した論文の査読結果を踏まえて、追加の推敲や、別の雑誌への投稿などの対応を取る。 さらなる研究の発展のために、全体の研究成果を整理して、次の科研の応募を行う。
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