Project/Area Number |
22K13000
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 01050:Aesthetics and art studies-related
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Research Institution | Kyoto University of the Arts |
Principal Investigator |
江本 紫織 京都芸術大学, 芸術学部, 講師 (90827289)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | セルフィ / 写真論 / 自撮り / ARカメラ |
Outline of Research at the Start |
本研究はセルフィ(自撮り)における「自己」の性質と位置づけを手掛かりに、写真の撮影の理論化を目指すものである。これまで写真の生成・受容は理論的に分断されてきた。写真の生成・受容の作用関係を多角的に検討可能なセルフィを主題とすることで、撮影が実際の経験と撮影後の受容(メディア経験)の間にどのように位置付けられ、各経験にどのような作用をもたらす行為であるのかを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
セルフィ(自撮り)を対象に実際の経験とメディア経験の作用関係を考察するため、2023年度はセルフィにおける虚構的な「自己」像の性質について考察を進めた。虚構的な「自己」像とはフィルタの適用によって加工・修正が施された映像としての「自己」である。セルフィでは撮影時にフィルタを適用することで、素顔の自己と映像としての自己の外観の間に視覚的な差異が生じることがある。また、虚構的な「自己」はソーシャルメディアにおける共有を前提に成立するため、役割や振る舞いの点でも実際の自己とは異なる傾向を持つと考えられる。このような「自己」がどのような性質を持ち、実際の自己(撮影者/被写体) に対してどのように位置付けられるのかを明らかにするため、当該年度はフィルタの役割や性質を仮面との比較によって整理することを試みた。 具体的には仮面の性質に関する先行研究を参照し、物理的な仮面の役割とフィルタの機能の共通点と相違点を探った。その結果、物理的な仮面同様、セルフィにおけるフィルタにも保護や代理、着用者の振る舞いの変容を促すなどの役割があると考えられた。一方で、フィルタが果たす保護や代理の対象や要因、変容の方向性については、物理的な仮面とは異なる背景や構造を検討する必要があった。このようなフィルタ特有の要因や構造について検証し、これらが撮影後の共有空間に起因するものであることを確認できた。共有空間との詳細な関係については次年度に予定しているメディア(仮想的空間)の形成する「自己」に関する考察結果を踏まえ、総合的に検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、セルフィにおける虚構的な「自己」像の性質について研究を遂行することができた。特にセルフィのフィルタの役割については仮面に関する事例や先行研究における議論と照らし合わせ、次年度の考察内容の観点を精査することにつながった。一方で、予定していた研究成果の発表については2022年度の段階で発表場所および時期の見直しの必要が生じていた。ただし、これらの点については前年度中に計画を調整済みであり、研究全体としてはおおむね順調に進行していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度はメディア(仮想的空間)の形成する「自己」の位置付け、つまり受容段階における「自己」の性質と成立の構造に関する考察に取り組む。これによって、初年度に考察を見送ったセルフィが引き起こす身体的な振る舞いの類型化にも着手可能になると考えられる。これらの結果を踏まえ、研究期間全体の成果を踏まえた総合的な考察を進めていく。
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