Project/Area Number |
22K13004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 01050:Aesthetics and art studies-related
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Research Institution | Chukyo University (2023) Kansai University of International Studies (2022) |
Principal Investigator |
真鍋 公希 中京大学, 現代社会学部, 講師 (40909933)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | 特撮 / 視覚効果 / 特殊効果 / リアリズム / リアリティ / SFX / 映画 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、特撮映像において「フォトリアリズム」とは異なる演出が追求されるようになった過程を記述し、この演出観の具体的な特徴を明らかにすることである。なお、ここでいう「フォトリアリズム」とは、アメリカの映画史家ジュリー・ターノックが1970年代以降のブロックバスター映画の中心的な映像美学として指摘したものを指す。 研究対象は特撮映像に独自の演出観が形成されたと考えられる1970~2000 年代に絞り、映画作品の分析や制作者が執筆した文献の読解に加え、ファン雑誌の分析も行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
日本の特撮ジャンル・特撮映像において、現代のアメリカ映画で支配的な「フォトリアリズム」とは違った演出観が成立した過程を記述することが本研究の目的であった。 助成2年目は、研究計画に沿って、1年目に引き続いてファン雑誌や製作者の執筆した文献、および映像資料の収集と分析を進めるとともに、主要な映像作品でこの演出観の読み取れるシーンを探索した。このとき、1年目の研究において、アメリカのストップモーションアニメーションとは異なり、日本の特撮ではミニチュアの物質性という非人間性に力点があることを発見したが、2年目はこの点に焦点を絞って調査分析を進めた。 その結果、日本においても、1980年代のファン雑誌では、ミニチュアの物質性ではなく、ミニチュアを動かす操演技術が注視されていたことが明らかとなった。この操演技術への注目時には、ストップモーションアニメーションと同じく、制作者の人間性に力点が置かれる。つまり、日本の特撮の演出観の形成においては、当初はアメリカのストップモーションアニメーションと同じく人間性に照準していたところから、徐々にミニチュアの物質性へと、言説の力点が変化している。 加えて、この時期の言説はともに「動き」に注目した議論である点で、映画学者トム・ガニングの議論(Gunning 2007=2021)とも接続が可能だと考えられる。したがって、以上の知見は、3年目に中心的に取り組む作品分析の基礎となるものといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
資料の収集、分析は計画通り進んでいる
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Strategy for Future Research Activity |
2年目までの研究成果を踏まえ、作品のなかで上記の演出観が読み取れるシーンを整理するとともに、制作者の世代差や影響関係を考慮して、特撮に独自の演出観が形成されてきた過程を、言説と映像の両面から描くことを試みる。以上の内容をまとめた論文を、今年度末に査読誌に投稿することを目指す。
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