琉球沖縄における男性歌唱者のうたう儀礼歌謡の構造と文学的表現研究
Project/Area Number |
22K13039
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 02010:Japanese literature-related
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Research Institution | Meio University |
Principal Investigator |
石川 恵吉 名桜大学, 国際学部, 非常勤講師 (80909987)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 史資料収集 / 歌集 / 翻刻 / テキスト化 / 儀礼歌謡 / 男性歌唱者 / 琉球文学 / 琉球の儀礼歌謡 / 歌謡の構造 / 歌謡の機能 / 村落祭祀 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、琉球沖縄の村落祭祀のなかで女性歌唱者に比べて少ない男性歌唱者のうたう儀礼歌謡の構造とその文学的表現研究を進めるための基礎研究である。本研究では、主に南琉球(宮古諸島と八重山諸島)を調査地とし、祭祀の悉皆調査を実施して歌謡の収集・整理を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、これまでの琉球文学研究で看過されてきた琉球沖縄における男性歌唱者のうたう(あるいは唱える)儀礼歌謡に注目し、歌の構造と文学的表現に関する研究を進めるための基礎研究である。具体的には、①歌のうたわれる祭祀場面において、誰がどこでどのような歌をうたうのかという観点をもとに調査・整理をおこなうこと、②儀礼歌謡に関する史資料を収集し整理すること、の2点の作業をおこなう。 令和4年度は、八重山の祭祀調査を予定していたが、新型コロナウイルスの全県的な流行に伴い祭祀調査が予定通り実施できなかった。そのため、本年度は儀礼歌謡に関する史資料調査を重点的におこなった。主に那覇市歴史博物館、国立台湾大学図書館、沖縄県立図書館所蔵の宮古・八重山の歌謡に関する史資料のリスト化と、一部写真撮影・翻刻作業、およびテキスト化を進めた。 その成果は「琉球文学資料 川平朝彬「八重山歌之粒寄」について」(『沖縄史料編集紀要』46)、「琉歌大観巻五 八重山島の歌」(『国立台湾大学図書館典蔵 琉歌大観』第4巻)に反映している。 前者では、那覇市歴史博物館所蔵・川平朝彬編『三線四種之調子音調之次第』に入っている歌集「八重山歌之粒寄」を翻刻してテキスト化をおこなった。また、関連資料として同資料に入る「正元歌道要法並節組」の翻刻、テキスト化も並行しておこなった。後者は、国立台湾大学図書館所蔵の真境名安興編『琉歌大観』巻五に収められている歌集「八重山島の歌」を翻刻・訳付けをおこない、解題を付して紹介したもので、その中からは八重山の新築儀礼歌<松金ゆんた>、波照間島の豊年祭でうたわれる<豊年躍の歌><巻躍の歌>、与那国島の豊年祭及び新築儀礼でうたわれる<かなゝん>などの歌を収集することができた。また、同資料には祭祀と歌の関わりを知れる重要な情報も含まれており、この貴重な資料を収集できたことは意義深いものとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、琉球沖縄における男性歌唱者のうたう(あるいは唱える)儀礼歌謡についての祭祀調査(補足調査を含む)および関連する史資料調査を行う予定であったが、新型コロナウイルスの感染拡大にともない現地調査を実施することができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は今年度に引き続き、関連する史資料調査の収集・テキスト化を進めながら、具体的に歌謡の構造、表現に関する分析を進める。また、本年度実施できなかった祭祀調査(補足調査を含む)を調査地の状況をうかがいながら実施する。特に、3年間のコロナ禍を経た地域の状況はその前と後で大きく変化しており、これまで男性歌唱者がうたっていた歌謡を男女でうたうようになったり、儀礼自体を簡略化して実施する傾向がみうけられる。そのため、これまで筆者がおこなってきた祭祀調査の成果や、既刊の報告書などを通じて、かつての祭祀状況の把握と整理をおこない、補足調査に力を入れたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)