Project/Area Number |
22K13069
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 02030:English literature and literature in the English language-related
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
秋田 万里子 富山大学, 学術研究部人文科学系, 講師 (10914939)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2025: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
|
Keywords | ユダヤ系アメリカ文学 / ホロコースト / 記憶 / トラウマ / アメリカ文学 / ユダヤ系文学 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、ホロコースト第三世代の文学作品において、記憶の問題がどのように扱われ、それが彼らの民族的アイデンティティにどのような影響を与えているかを明らかにする。今日までホロコースト文学作品は、テーマや手法を変えながら絶えず生み出され続けており、特に2000年代に入ってからは第三世代作家の活躍が目覚ましい。しかしながら、現時点のユダヤ系アメリカ文学研究における主な研究対象は、戦後40年以内に活躍した作家に限定され、若い世代の研究はいまだ手付かずの状態である。本研究では、第三世代の作家の文学作品におけるホロコーストの表象と記憶の継承の手法に着目し、新たなホロコースト・ナラティブの潮流を探る。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、Jonathan Safran Foer, Julie Orringer, Cynthia Ozickの3作家に焦点を絞り、経験していないアメリカのユダヤ系作家によるホロコースト・ナラティブの傾向を探った。その研究結果は、査読論文“America as a Medium of Memories: Representations of the United States in Third-Generation Holocaust Novels”(『シュレミール』第23号,日本ユダヤ系作家研究会),および査読論文「『食』は語る―シンシア・オジックの『ショール』におけるホロコースト・サバイバーの苦悶と再生―」(『中部アメリカ文学』第27号,日本アメリカ文学会中部支部)という形でまとめ,ともに2024年3月に刊行された。 また,2023年12月16日に開催された多民族研究会第40回全国大会のシンポジウム「クロスエスニシティセッション:エスニック・スタディーズの未来」において,「『夢』が繋ぐ時空間―Jonathan Safran FoerとJulie Orringerにおける第3世代ホロコースト・ナラティブの技法―」という題目で登壇した。このシンポジウムにおける発表内容は,2024年度に多民族研究学会の学会誌『他民族研究』に査読論文として掲載される予定である。さらに,2024年3月16日には,ユダヤ系作家研究会において,ホロコーストを経験していないユダヤ系アメリカ人作家Cynthia Ozickの中短篇作品に関する研究発表を行った。また,2024年7月に出版予定の共著『ホロコーストと〈愛〉の物語』でも,第3世代作家Julie OrringerのThe Invisible Bridgeに関する章を担当し、4月に出稿済みである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では、2022年度にJonathan Safran Foer、Cynthia Ozick、Julie Orringerの3作家の研究に一区切りつけ、Nicole Krauss (1974- )の作品分析に着手する予定だった。しかし、FoerとOzickの作品群に関してさらに掘り下げる余地が出てきたため、Krauss作品の研究にまで至らなかった。2024年度は2023年度にやり残したKrauss研究を中心に進めていく予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年12月に多民族研究会第シンポジウム「クロスエスニシティセッション:エスニック・スタディーズの未来」で発表した「『夢』が繋ぐ時空間―Jonathan Safran FoerとJulie Orringerにおける第3世代ホロコースト・ナラティブの技法―」を論文にまとめ、前世代と異なる21世紀ホロコースト小説の独自性を明らかにする。また、Nicole Kraussの長編小説The History of Love (2006) を中心に、第3世代ホロコースト小説における記憶の表象について考察する。さらに今年度は、実際にアメリカに赴き、資料館や博物館、図書館でホロコーストやユダヤ人の歴史・文化に関する一次資料を収集することを計画している。
|
Report
(2 results)
Research Products
(4 results)