Project/Area Number |
22K13090
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 02040:European literature-related
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
田島 篤史 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (40802765)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 魔女 / 聖人 / 聖母 / 巡礼 / エクス・ヴォート / 聖母マリア / 悪魔学 / 魔術 / 奇跡 / 作者 / 作品 / マリア |
Outline of Research at the Start |
本研究は、従来、歴史学の研究対象であった悪魔・悪霊・魔女・魔術に関する包括的知識体系である悪魔学に基づいて書かれた作品について、新たに文学研究の対象としての可能性を示すものである。具体的には、悪魔学の最重要作品で魔女迫害を激化させたとされる『魔女への鉄槌』(初版1486年)を取りあげ、その「作者」および当時の社会との相互的影響関係に着目し、実証史学的な手法とともに文学の批評理論を用いて分析するものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、日本西洋史学会および西洋中世学会に参加し、研究者らとの議論を通じて、最新の知見を得られた。また4月に開催された第104回シュンポジオンでは、「モビリティーの諸表象ードイツ語圏の巡礼教会に奉納されたエクス・ヴォートー 」と題して、2月に開催されたアルプス史研究会では「巡礼、奉納物、モビリティー ―オーバーエースターライヒにおける聖ヴォルフガング崇敬― 」と題して、3月に開催されたInternational Conference: Spatial and Social Mobilities in the Medieval and Early Modern Alpine Regionsでは、"Pilgrimage, Exvoto and Mobility: St. Wolfgang and his Veneration in Upper Austria"とのタイトルで研究成果の一部を報告した。 また2月にドイツ(ミュンヘン、アルトエッティング、パッサウ、ランツフート、オルテンブルク、ケーファーマルクト、ハルプマイレ、ザンマライ、オッフェンシュテッテン、ビショフスマイス、アラースドルフ、フライジング)とオーストリア(リンツ、プッピング、メルク)を、3月にイタリア(ミラノ、トリノ、トッレペッリチェ、アングローニャ)とスイス(メンドリジオ)を訪れ、現地で史料・資料調査および研究者らとの研究交流を持った。とりわけメンドリジオにおいては、スイス・イタリア・スロベニア・日本など、様々な研究者との議論を通じて、「モビリティー」概念を本研究課題に援用する土台が築けた。 これらの成果の一部を『隔月インタビュー』2023年12月号に「聖ヴォルフガング巡礼ー伝説と史実のはざまでー」と題して発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、前年度に引き続き、コロナ禍による渡航規制もなく、海外での調査・研究活動が、ほぼ滞りなく実施できた。また国内でも、多くの学会・研究会がオンラインまたはハイブリッドで開催されたため、研究計画がそれほど妨げられることなく遂行できたと考えられる。 また学会や研究会も頻繁に開催されたため、時間の許す限り参加し、研究者との交流を通じて最新の知見を得たのみならず、多くの刺激を得られたことも、研究計画遂行に大いに役立ったと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、このまま研究計画を進めていくことを大前提として、昨年度に新たに発見された課題にも意欲的に取り組んでいくつもりである。具体的には、15世紀当時の魔女信仰と聖母マリア崇敬との関連を調査していくうえで浮上した、民衆の信仰形態の一つである「巡礼」に着目し、今年度に引き続き、魔術と奇跡との関連を視野に入れた調査・研究を進めていく。
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