Project/Area Number |
22K13094
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 02040:European literature-related
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Research Institution | Ritsumeikan University (2023) Kyoto University of Foreign Studies (2022) |
Principal Investigator |
國司 航佑 立命館大学, 文学部, 准教授 (10760324)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | レオパルディ / カンツォーネ / ペトラルカ / イタリア抒情詩 / 韻律 / イタリア文学 / ロマン主義 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、レオパルディの韻文作品のうち、カンツォーネという詩形を用いて書かれた初期の作品、および「自由カンツォーネ」と呼ばれる詩形を用いた後期の作品を取り上げ、「自由カンツォーネ」がいかに生み出されたかという問題の解明を試みる。その際手掛かりとするのは、初期と後期の間にある詩作中断期間に彼が行っていた文学研究の活動である。 「自由カンツォーネ」に関して、本研究ではあくまで詩形の誕生に焦点を絞るため、それと直接関わりのない最晩年の作品は対象としない。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目的は、レオパルディが開発したと考えられる「自由カンツォーネ」という詩形に関して、その誕生の経緯を明らかにすることにある。初年度2022年度の三点の課題のうち③テクスト収集は、現地調査が実施できなかったため2023年度に持ち越されていた。また2023年度の当初からの課題は次の三点である。④レオパルディの詩作品の分析、データの整理、⑤詩作中断期間における文学研究活動の全体の把握、⑥第2回現地調査。以上を踏まえ、2023年度の実績を以下に示す。 前年度から持ち越された③については、2024年2月に現地調査を実施した。④に関しては、初期作品については実施できたが、後期作品についてはそれがかなわなかった。また並行して行う予定であった日記や書簡の調査も実施できていない。関連する先行研究の調査は一通り終えている。⑤についても、『カンツォニエーレ』注解の調査を開始したが、全体的な調査には手が付けられていない。⑥はそもそも⑤に続けて行われるべき現地調査なので、こちらも行っていない(2024年2月に行った現地調査は2023年2月に予定されていたものである)。 当初の予定にはなかったが、シンポジウムの趣旨に合わせて、レオパルディのカンツォーネの韻律を、詩形カンツォーネの歴史の文脈にあてはめて検討する、という研究を行った。その結果、レオパルディのカンツォーネのモデルがペトラルカにのみでなく、18世紀末に活躍した詩人モンティにもあることが発覚した。と同時に、モンティにも「自由カンツォーネ」に類似する形式を用いた詩が存在していたことが分かった。モンティとの比較を通じて、レオパルディの「自由カンツォーネ」の特徴がよりよく浮かび上がってきた。④の研究結果の一端をまとめた論考「レオパルディの初期カンツォーネの韻律」は2024年4月に刊行された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2023年度は、研究室移動の年度となったため、研究の進捗は当初の予定より半年ほど遅れている。家庭環境(幼い子が二人いる)も遅延の原因の一つである。
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Strategy for Future Research Activity |
新たな研究環境に慣れてきたため、着実に研究を進めて、遅延分のキャッチアップに努める。ただし、2023年度に行うことができなかった第2回の現地調査は、本務校のスケジュール上今年度も実現する見込みは低い。進捗状況を総合的に検討した上で、必要な場合、期間延長を申請する。
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