Project/Area Number |
22K13121
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 02060:Linguistics-related
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Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
千々岩 宏晃 京都橘大学, 文学部, 専任講師 (20874621)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2026: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 語の選択 / 言語行為 / 語の選択要因 / 記憶の心的述語 / 心的述語 / 記憶 / 会話分析 |
Outline of Research at the Start |
雑談において我々は「覚えている」「忘れた」等の記憶の心的述語と、その類義する語彙群(「分かる」、「知っている」、「頭/心に残る」等)を使い分けている。しかし、その選択規則を記述しようと試みるならば、話者の内省を推定するような認知主義的研究に帰着せざるを得ない。しかし、「語の意味は使用」であることを考えれば、「覚えている」「分かる」「知っている」等の類義する語群との選択規則もまた、使用、すなわち相互行為上のものである。本研究では、会話分析の手法と成果を応用し、これら語の使い分けの要因を特定する。成果は、記憶概念が有意になる社会的問題において使用法に基づく新たな知見を提供する。
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Outline of Annual Research Achievements |
5年計画における2年目の今年度においては、データ収集・整理を継続することとして計画していたが、文献調査で直面した困難さにより、全体として遅延しているといえる。 本研究では、「覚えている」「忘れた」などの記憶の心的述語と、その類義語群(「心に残っている」「知っている」「記憶がある」等)語の選択の要因を解明しようとしている。語の選択をめぐって会話分析という方法を採用し研究を進めることが確定したが、その方法のスタンスについて、同分野研究者の中でも合意がみられていない箇所(話者の知識状態をどの程度想定するのかという課題)が発見されたため、現在、本研究のスタンスを確定させることに困難点を抱えている。 データ収集については、日常会話における言語使用を確認・収集するという意味において、作例によらない経験的な研究を可能とするために重要である。昨年度において、分析を充実させるための会話データの録画を10時間程度追加できたため、そのデータの文字化と分析・整理を行っているところである。現在までに200ケースほどの事例が収集されたが、適切な分類については現在、データ整理を進行しているところである。 さらに、昨年に引き続き、一部研究データ群を研究者間で検討している研究会への参加により、データ群の一貫性の確保、および研究者自身の分析能力の向上を図っている。 また、文献調査で明らかになった点が一部含まれる論文を一篇作成・発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
「遅れている」を選択した理由は、2つある。1:授業・校務増加で十分なエフォート値が確保できなかったこと。2:さらなる文献調査によって、本質的な問い(話者の知識状態についてどの程度想定するか)が再発見され、さらにそこに当該分野の研究者間での合意がみられていないこと。 1については研究の進捗に関するセルフマネジメントの課題であるが、今学期から授業や校務への慣れや低減により、解決の見込みがある状態である。 2については論争が継続されており解決を見ていないことを踏まえ、データの分析方法や、特に記述についてより慎重に検討することが必要であり、さらなる文献調査が必要であると結論付けられた。これにより、データの本格的な整理や分析、および記述に遅延が生じており、前年度に半年程度、今年度に半年程度として、全体的に1年程度の遅延が起こっている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在の状況から、3年目(全5年間)においては、前半に範囲を定めて文献調査を集中的に行うことで研究の基本的なスタンスについて確定させ、文献調査の終了にめどをつけることが必要である。 そののち、後期においてデータ整理、分析、記述を行うことが研究推進のためには必要であると考えられる。 さらに、データについては現在、手持ちのものだけでも研究可能であると考えられるため、積極的な収集については予定しない。ただし、データ整理については人件費充当分を使用することで継続したい。 最後に、2023年度に予定していた中間発表については、来年度開始時をめどにデータ整理、分析、記述の結果を共有することができることを目標として、再設定を行う。
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