Project/Area Number |
22K13152
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 02090:Japanese language education-related
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Research Institution | Meio University |
Principal Investigator |
当銘 盛之 名桜大学, 国際学部, 准教授 (10881708)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 漢字圏日本語学習者 / 中日同形異義語 / 意味関連性 / 推測容易性 / 母語の影響 / 日本語漢字単語 / 漢字学習 |
Outline of Research at the Start |
漢字圏日本語学習者が日本語漢字単語を覚える際は,母語である中国語の知識を活用することで容易に覚えられる場合もあるが,中国語で意味を覚えてしまうことによる誤用を引き起こす場合もある。中国語の知識が手がかりになって覚えやすくなるか,あるいは逆に覚えにくくなるか,その影響については未解明な部分が多い。また,一度覚えた漢字単語であっても,その記憶が保たれるかどうかは定かではない。そこで本研究では,漢字圏日本語学習者を対象とし,日本語漢字単語を新規に学習する際の「覚えやすさ」と,一定期間後が経過した後どの程度覚えていられるのか,すなわち「忘れにくさ」に中国語の知識が与える影響を調査する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、漢字圏日本語学習者を対象とし、特に中日同形異義語に着目し、単語の「覚えやすさ」と「記憶の保持」にどのような要因が関わっているかを探ることを目的とする。具体的には、中日同形異義語の覚えやすさに影響を与える要因として日本語と中国語の意味関連性及び日本語漢字単語の推測容易性を取り上げ、どのような影響がみられるか検討を行う。 これまで中国大陸に渡航し、現地でJFL環境にある中国人日本語学習者を対象とした研究を行う予定で準備を進めていたが、新型コロナウイルス感染症の影響により渡航できない状況が続いた。感染症の影響がみられなくなった現在においても、以前とは異なりビザの取得が困難となったことと、やや情勢不安もあり依然として渡航が困難な状況にある。このような状況を踏まえ、調査対象地域の変更や、日本在住の中国人日本語学習者を対象とした調査の実施に向け、新たな準備を行なっているところである。これらの変更に伴い、新たに行うべき実験の位置付けやそれぞれの実験の関連付けなどが当初の目的と齟齬がないかどうか、慎重に検討してきた。その結果、英語教育における単語の習得研究の知見を本研究に応用できそうであることがわかり、非常に大きな進展となった。また、結果を分析する際の統計手法についても新たな観点を得ることができた。これに加え、本研究で単語の記憶に関わる要因が明らかになったのち、どの程度の時間のスパンで覚えるのが適切か、という教育面への応用を調べる際の具体的な手法についての知見を得ることができ、今後の研究に多大なプラスとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
前年度まで新型コロナウイルス感染症の拡大による影響があり、調査のための中国への入国が叶わなかったことから、オンラインでの実施を行うために準備を整えてきた。しかし、様々な情報を精査した結果、オンラインでの実施も非常に困難であることがわかった。現在においてもビザの取得が困難であり入国の予定が立てにくいことから、調査対象者あるいは調査地域の変更を行うことを考えている。当初の研究の目的が達成できるかどうかについて慎重に検討を重ねており、時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予想が外れ、中国大陸での調査実施が現実的なものにならなかったことから、現在、調査対象者あるいは調査地域の変更を考えている。具体的には2つの方向性があり、1.台湾人日本語学習者、2.日本在住の中国人日本語学習者、である。台湾人日本語学習者に関しては母語として用いられる字形が繁体字であり、このことによる影響を精査する必要がある。また、日本在住の中国人日本語学習者については、日本語力があまり高くない調査対象者を探す必要があることから難航している。現在、両方の方向性について、研究で明らかにしたいことと併せ、どちらがよりよいかを慎重に検討している。これらの方針が固まったのち、夏頃までには調査を終え、論文等、成果の発表を行うことを目指す。
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