西ドイツの公的記憶と歴史展示:1970~80年代の国民統合と和解の試み
Project/Area Number |
22K13226
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 03040:History of Europe and America-related
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
大下 理世 中央大学, 法学部, 助教 (20880983)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 公的記憶 / 西ドイツ / 歴史展示 / 和解 / 旧西ドイツ |
Outline of Research at the Start |
本研究は、旧西ドイツ(1949-1990)において、ドイツ帝国創立100周年(1971)を機に企画された歴史展示「1871年―ドイツ史を問う」の成立と発展を扱う。具体的な論点は、[A].歴史展示の内容と国内での受容、[B].近隣諸国との和解の意図と歴史展示に対する国外の反響、[C].歴史展示をめぐるその後の議論という三つの観点から検討する。これらの課題に取り組むことで、1970年代~1980年代の西ドイツにおいて、過去に関するどのような記憶が「立場・世代を越えて語り継がれるべき記憶」として国民統合に活用されたのか、そしてその際、近隣諸国との和解の意図がそこにいかなる影響を与えたのかを解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、旧西ドイツ(1949-1990)において、ドイツ帝国創立100周年(1971)を機に行政機関によって企画された歴史展示「1871年―ドイツ史を問う」(於ベルリン)の成立と発展の過程を検討する。具体的な論点は、[A].歴史展示の内容と国内での受容、[B].近隣諸国との和解の意図と歴史展示に対する国外の反響、[C].歴史展示をめぐるその後の議論、という三つの観点から検討する。本研究は、これらの課題に取り組むことで、1970年代から1980年代の西ドイツにおいて、過去に関するどのような記憶が「立場・世代を越えて語り継がれるべき記憶」(以下、公的記憶)として国民統合に活用されたのか、そしてその際、近隣諸国との和解の意図がそこにいかなる影響を与えたのかを解明する。 2023年度は、以下の二つの課題を遂行した。第一に、ドイツにおける新たなナショナリズムの高まりを警戒していたフランスとの関係改善を目指す西ドイツ政府の意図が、展示の企画段階ではいかに議論されたのか、第二に、諸外国の懸念が、実際にいかなる影響を歴史展示に与えたのか、それぞれ連邦内務省文書と展示カタログの分析を通じて検討した。その際、具体的には、東方政策を進めるヴィリー・ブラント政権成立後に歴史展示の方向性が変容したことを明らかにした上で、1871年のドイツ帝国創建に対して連邦政府がどのような立場をとったのか、そして、歴史展示の中でドイツ帝政期をどのように位置付けたのか検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究が設定した三つの研究領域([A].歴史展示の内容と国内での受容、[B].近隣諸国との和解の意図と歴史展示に対する国外の反響、[C].歴史展示をめぐるその後の議論)の内、2023年度は、[B].に取り組んだ。歴史展示の企画段階で、1871年のドイツ帝国創建の歴史的位置づけおよびその西ドイツとの関係性をめぐって、諸外国との関係性を考慮した議論がなされたことを検討し、その成果を各種の研究会報告等にて発表した。他方、分析の中心が西ドイツの連邦政府に関する史料となっており、展示に対する国外のメディアの反応については分析できていない。したがって全体としては、計画はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、1970年代から1980年代の西ドイツにおいて試みられた、国民史をテーマとする歴史展示に着目し、当時課題として認識されていた「国民統合」と「隣国との和解」をめぐる連邦政府の意図を視野に入れながら、自国史をめぐる戦後ドイツの公的記憶がいかにつくられたのか、明らかにすることを目的とするものである。 本研究が設定した三つの研究領域([A].歴史展示の内容と国内での受容、[B].近隣諸国との和解の意図と歴史展示に対する国外の反響、[C].歴史展示をめぐるその後の議論)の内、2024年度は、[C]の課題に取り組む予定である。具体的には、ドイツ歴史博物館において個別の歴史的事象を展示するのか、あるいは、現代に至るまでの歴史全体を展示するのかをめぐって議論が行われた際、[A]がいかに評価されたのか、連邦内務省文書をもとに検討する。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)