Project/Area Number |
22K13230
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 03040:History of Europe and America-related
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Research Institution | Asia University |
Principal Investigator |
八谷 舞 亜細亜大学, 法学部, 講師 (70796119)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 図書館 / 司書 / ナショナリズム / フェミニズム / ジェンダー / 女性 |
Outline of Research at the Start |
本研究は,ナショナリズムや保守化という時代背景がジェンダー規範に対してどのように影響し,その中で女性が行為主体としてどのように振る舞ったかを,1880~1930年代のアイルランドにおける公立図書館を舞台として描き出そうとするものである。 本研究の特色は,一方向的な抑圧や管理のみに着目するのではなく,女性側の主体性や戦略性を見出すことによってナショナリズムとジェンダーとの相互作用を析出するという点にある。この研究は,従来の研究が積み残してきた課題を解決しつつ,近現代史研究に新たな視座を築きうるものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年2月に出産したため,2023年度前半(4月初~7月末)は育児休業中であり,2023年8月に復職したのちも,育児の都合で新しく研究を進めることはほとんどできなかった。ただ2024年2月にアイルランドへ渡航し,2週間滞在して史料調査を進めることができた。今回の史料調査では,①司書の専門職教育体系の整備②空間としての図書館の2点について,アイルランド国立図書館,ダブリン市立文書館,フィンガル州文書館等で多くの史料を収集することができた。 ①司書の専門職教育体系の整備については,司書の専門誌An LeabharlannおよびIrish Library Bulletin,さらに新聞記事をもとに調べることができた。アイルランドではイングランドとは別の司書教育の必要性が主張されるようになり,1928年にUniversity College Dublinに図書館研究科が設立されるものの,ダブリン近郊に住んでいる学生にしか通えないということが現実的な問題点であった。それを受けて図書館協会は1930年代に通信教育課程を整備する。これが司書職の女性化を後押しする1つの要因であったのではないかと推察している。 ②空間としての図書館についてはいまだ分析途中であるが,図書館施設の貸出簿を見ると,毎週のように娯楽目的で図書館施設が住民に貸し出されており,さらに借主には女性の名前も多く見られる。ここから,女性にとっての「サードプレイス」としての図書館の意義が見えてくるのではないかと考えている。 2024年度はこれらの史料のさらに精緻な分析を勧めつつ,論文の執筆および発表を行うことを目標とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年に妊娠が判明したため同年には予定していたアイルランド渡航が叶わず,また2023年2月に出産してからも当初の予定通りにアイルランド渡航を行うことは不可能であり,結局2024年2月にようやく渡航が叶ったため。なお新型コロナウィルスの感染拡大中にも渡航が叶わなかったため,2024年2月の渡航は4年ぶりであった。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年2月の史料調査の成果をもとに,2024年度は少なくとも2本の論文を執筆・発表することを目指す。論文は英語で執筆することを考えているが,執筆の過程で幅広く助言を得るため,主に国内の学会および研究会で口頭報告をすることも予定している。
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