Project/Area Number |
22K13233
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 03040:History of Europe and America-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
服部 雅子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 学術研究員 (60827517)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | アメリカ史 / アメリカ研究 / トランスナショナル・ヒストリー / 米軍 / アメリカ合衆国史 / 神戸 |
Outline of Research at the Start |
世界の諸地域への米軍の文化的影響に関する従来の歴史研究は、米軍基地所在地、または第二次世界大戦後の日本などの米軍占領期に関するものに集中してきた。本研究は、より広い視座から米軍の文化的影響を捉えるため、(1)平和的な国際観光都市のイメージを確立している兵庫県神戸市における米軍と都市文化の発展との関連を考察し、(2)神戸港開港以降の欧米諸国の経済進出や旧日本軍と同市との関わり等の重層的・多面的な歴史の中に米軍の駐留・寄港を位置づける。
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Outline of Annual Research Achievements |
本課題の初年度にあたる2022年度には、研究環境の整備、二次文献の読解、史料調査の3点を中心に、神戸市と米軍との関係性に関する本研究の大枠の深化に努めた。その結果、アメリカ史という、当初想定していた枠組みを超え、トランスナショナル・ヒストリーとして神戸市と米軍との関わりの歴史を考察する必要があるということに気づくことができた。本研究をそうした大きな枠組みからさらに進めることで、米軍をめぐる文化史研究の発展に貢献するのみならず、アメリカ史研究における例外主義を打破し、その歴史をトランスナショナルな文脈から捉えようとする研究群の発展にも寄与したいと考えている。 特に、2022年12月に行った神戸市における史料調査は、これまで私が想定していた本研究課題の視座を問い直し、それを発展させる貴重な契機となった。具体的には、明治期から20世紀後半にかけての神戸市に関する二次文献の閲覧・読解と、20世紀前半の同市に関する一次史料の収集・閲覧を行った。その結果、同市と米軍をめぐる関係史は当初、アメリカ合衆国史(あるいは日米関係史)の枠組みの中で捉えられると仮定していたが、それよりもむしろ、アジア諸国との関係史も含めたトランスナショナル・ヒストリーとしてこの歴史は捉えるべきであるということが判明した。 さらに、2022年11月には国際アメリカ学会(International American Studies Association)の第10回大会において、口頭発表を行った。オンラインでの参加ではあったが、開催地であるインド・ニューデリーのアメリカ研究者や、同じくオンライン参加の研究者らと活発な議論を行うことができ、有益なフィードバックを得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に計画していた作業のうち、ワシントンDC(米国国立公文書館、および米国議会図書館)への史料調査は、コロナ禍の状況を考慮して来年度に延期した。しかし、神戸市における史料調査において、「研究実績の概要」に記した通り、予想以上の成果があった。また、米国への史料調査に代わり、米軍や旧日本軍の基地所在地の国内都市数カ所に調査に赴き、軍隊と観光との関わりに関する考察を行った。それらの都市に関する二次文献も収集・読解し、比較研究の道筋もつけることができた。さらに、国際アメリカ学会(International American Studies Association)の第10回大会において口頭発表を行い、本研究の発展にとって有益なコメントやヒントを得ることができた。
これらの作業の結果、当初想定していた研究目標(神戸市における米軍の都市観光の発展の関係性を、長期的かつ多角的視座の中に位置づける)を変更した。すなわち、神戸市と米軍をめぐる関係史は当初、アメリカ合衆国史(あるいは日米関係史)の枠組みの中で捉えられると仮定していたが、それよりもむしろ、アジア諸国との関係史も含めた、よりトランスナショナルかつマルチナショナルな文脈におく必要があることに気づくことができた。これは、本研究の視座を飛躍的に拡大し、深化させることにつながる発見であるため、全体を通してみると、本研究は順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の通り、アメリカ合衆国史という、当初想定していた枠組みを超え、トランスナショナル・ヒストリーとして、神戸市と米軍との関わりの歴史を考察する必要があるということに気づくことができたことが、本年度の最大の成果であったといえる。そうした大きな枠組みから本研究をさらに進めることで、米軍をめぐる文化史研究の発展に貢献するのみならず、アメリカ史研究における例外主義を打破し、その歴史をトランスナショナルな文脈から捉えようとする研究群の発展にも寄与したいと考えている。 今後の作業としては、(1)トランスナショナル・ヒストリーとして神戸市の近現代史を捉えることに関する二次文献の読解と、その中における本研究課題の位置づけに関する理解の深化、(2)20世紀後半に神戸市に駐留・寄港した米軍に関する、日米両国の図書館やアーカイブでの史料調査、(3)研究成果のアウトプット、の3点から研究を進める予定である。(1)に関しては、すでに二次文献の収集と読解を進めている。(2)に関しては、神戸市における史料調査と、ワシントンDCにおける史料調査を計画中であるほか、デジタルアーカイブの活用も進めている。(3)に関しては、本年5月にスウェーデン・ウプサラ大学で開催される北欧アメリカ学会(Nordic Association of American Studies)大会での研究報告が決定している(要旨採択済み)ほか、スペインでの招待講演の話が進んでいる。また、本年11月30日から12月2日にかけて開催予定の、オーストラリアおよびニュージーランドアメリカ学会(Australia and New Zealand American Studies Association)大会での研究報告に応募する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)