Project/Area Number |
22K13253
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 04020:Human geography-related
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
坂本 優紀 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 助教 (40865226)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 音楽 / 観光 / 和太鼓 / ワールドミュージック / ミュージッキング / 楽器製造産業 / 音楽実践 / 地域資源 / ローカリティ |
Outline of Research at the Start |
情報技術の発展やグローバル化の進展は,音楽の商品化を指向させる。そうした状況と近年の観光産業の拡大が相まり,音楽が地域資源として活用される現象がみられる。ここで注目したいのは,音楽と地域はいかなる関係を有するのかという点である。本研究は,音楽の地域資源化に着目して音楽と地域のインタラクティブな関係を明らかにすることを目的とする。その際,音楽を制作物(モノ)として扱うのではなく,音楽に関わるアクターの実践やアクター間の関係性として分析する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度はメキシコ合衆国グアナファト州グアナファト,長野県大北地域,富山県南砺市を対象に,音楽に関する実践の事例を現地調査した。グアナファトは毎晩,音楽の演奏を聞きながら街歩きをする観光が盛んである。この街歩きはカジェホナーダCallejoneadaと呼ばれ,観光雑誌にも掲載されるほど地域の観光資源として定着している。本年度は,現地にてカジェホナーダを開催する11の事業者(トゥナTuna)に,グループの結成年や人数,設立の経緯等を聞取りした。その結果,グアナファトにおける音楽を資源とする観光の特徴として,音楽だけでなく,地域のコロニアルな歴史や景観を含んだ観光となっていることや夜という相対的に視覚優位の感覚から解放される時間の重要性が確認された。また,演奏においては多くの国民が歌ったり踊ったりすることができる,参加型の体験が目指されていることも示された。本結果は都立大学の生涯学習講座にて発表した。 長野県大北地域の調査では,地域内の和太鼓グループの結成から現在までの変容を16グループへの聞取り調査で明らかにした。和太鼓は戦後に創作された芸能であるが,地域との繋がりを強く有していることが多い。既存研究はグループの設立経緯や地域との関係を明らかにしているが,本研究では設立後数十年経過したグループの変容を明らかにすることを目的としている。調査の結果,多くのグループで目的や担い手の変容がみられ,地域の音楽として定着を目指すグループや個人の趣味として活動するグループなど多様な活動が示された。 富山県南砺市の事例は調査成果をまとめ,日本地理学会が刊行するGeographical review of Japan series Bにて2025年6月に公開予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度の研究は,おおむね順調に進展した。特に海外での調査はCOVID-19の影響も少なく,多数のインフォーマントから聞取りができた。また,国内でも多くの音楽イベントがCOVID-19以前の状況に戻りつつあり,活気のあるイベントの様子や実践者の様子を観察することができた。2024年度も2023年度と同様に現地調査を進めるとともに,成果を整理する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度以降も当初の計画通り研究を推進していく予定である。特に2024年度はCOVID-19に関するイベントの規制の緩和が予想されることから,松本市をはじめとした国内での調査を積極的に実施していきたい。また,調査で得られた成果を整理し,国内外の学会で発表するとともに,学術誌での公表を目指す。
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