Project/Area Number |
22K13286
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 05020:Public law-related
|
Research Institution | Kanazawa University (2023) Osaka University of Economics (2022) |
Principal Investigator |
福島 卓哉 金沢大学, 法学系, 准教授 (00822660)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
|
Keywords | 行政組織 / 行政手続 / ドイツ法 / ヨーロッパ法 / 民主的正統性 / 市場と公益 / 市場経済と生存配慮 / 行政組織法 / 行政手続法 |
Outline of Research at the Start |
技術革新の著しい電気通信分野において、柔軟かつ迅速な政策判断を可能にするために独立性を有した行政組織のあり方を模索する必要性が唱えられている。しかし、その際わが国において懸念されるのは、議院内閣制の下、内閣を中心とした責任体制を明確化することとの緊張関係である。 本研究は、欧州とくにドイツの電気通信法制に着目し、独立の行政組織と民主的、法的統制との関係を検討する。彼の地では規制機関の独立性を保持しつつ、いかにして政府や議会を通じた統制を及ぼすかが議論されている。本研究は、電気通信法制の比較研究を通じて、わが国の今後の組織構造のあり方を提言することを目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、第一に、電気通信法制を中心としたネットワーク産業の法規制を、規制(規整)法という独自の法領域として体系化しようとする、近時のドイツにおける学術的な試みについて、先行研究や最新の学術論文をもとにして考察を加えた。この問題については、「ドイツの電気通信法制」との評題で北陸公法判例研究会での報告の機会を得た(2023年7月22日)。電気通信事業における市場競争とユニバーサルサービスの提供は、必ずしも対立的ではなくむしろ親和的な側面があること、競争を通じて公益保障が促進されるという関係性は、競争と公益との関係をめぐり興味深い素材を提供することを報告した。 第二に、電信の登場した19世紀後半から国際的潮流を受けて規制緩和が実施される20世紀終盤にかけての電気通信法制の歴史的展開について、電気通信事業の収益性と公益性の交錯という視角から、立法資料と学術文献等を手掛かりにして考察を行った。地域間格差なく電気通信役務が提供されるという公益保障のための財源の確保は、通信インフラの構築や運営に歴史的に伴随してきた課題であったこと、電気通信は誕生当初から国民に必需であったわけではなく、ワイマール期における経済的危機を受け、当該事業が独立採算制に移行したこと、電気通信事業の経営的な諸問題は連邦議会において再三議論されてきたこと、これらのことから収益性の確保も公益の保障に劣らず重要な意味を持ったことを確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、電気通信法制の規制緩和以降の学術的な問題関心と、規制緩和以前の電気通信事業の収益性をめぐる問題を併せて検証することができたこと、収益性の確保は、規制緩和の前後を問わず当該の法分野に通底する問題であることを推察することができたことから、上記のように判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
電気通信事業における収益性の確保や財源調達の必要性が、規制緩和と民営化を経て電気通信法制にどのように発現しているのか、収益性と公益保障との関係性について、より具体的に検証することとしたい。
|