Project/Area Number |
22K13289
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 05030:International law-related
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
中井 愛子 大阪公立大学, 大学院法学研究科, 教授 (00815722)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 中南米 / カリブ / 裁判官対話・裁判所間の対話 / EU / 地域的共同体法 / 国際法の国内適用 / 地域統合と法 / 中米統合機構 / 裁判官対話 / 憲法と国際法 / 中南米の地域統合 / 国際裁判所 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、欧州地域と比較可能な中南米地域を対象に、国内裁判所と地域的国際裁判所の相互作用を実証的に追跡し、国境を超える統合と分化の間にある今日の国際法のダイナミズムの一端を明らかにするものである。近年では、国内・国際の各裁判所が互いの判例法理を参照することで影響を与え合い、一定の共通の法理に達する「裁判官対話」の現象が確認されている。この現象は欧州について論じられることが多いが他地域にも存在する。本研究は、中南米の地域的国際法の展開の一部として同地域の裁判官対話を解明し、欧州と比較して、国境を越えた法の統一の要請と国民的・地域的な独自性の擁護に関する法と司法のあり方の地域間比較を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
1年目であった前年度には、アンデス共同体、南米共同市場を主な対象に、地域統合機構の制度設計、共同体裁判所(紛争解決機関)規程、国際・国内の主要判例に関する調査を行い、日本語で研究成果の一部を共著書として発表したほか、ペルーで開催された国際学会で英語での口頭発表を行った。 2年目であった今年度は、当初の実施計画どおり、カリブ地域を中心に研究を進めた。カリブ地域は、ほとんどがコモン・ロー諸国であることに起因して、同じコモン・ローを適用する裁判所として地域的国際裁判所が国内裁判所の上級審を兼ねるという際立った特殊性を有しており、そこにおける裁判所間の判決の相互参照は、他の地域と比べてより直接的に地域的な法のダイナミズムに関わっているといえる。ただし、これまで研究対象としてきたところの欧州、中米、南米各地域は大陸法系の諸国がほとんど占めており、地域的国際裁判所の制度設計も大陸法を基礎としているため、カリブ地域とこれらの地域との比較には慎重を要する。したがって、カリブ地域を対象とした研究成果の取りまとめには一定の時間をかけるのがふさわしいと見込まれる。 並行して、アフリカを含む多様な地域の地域統合の概要の調査、国内法体制が多様であるアジア諸国における国際法の国内適用に関する調査を行ったほか、昨年度から続いているブラジルの研究者との比較法的観点からの共同研究を継続した。 以上を踏まえ、今年度の研究成果の発表としては、国内裁判所の役割を国際法の側がどのように位置づけてきたのかを多国間条約等に依拠して整理した、総論的・理論的内容の口頭発表を、国際法と比較法を対象とする台北での国際会議で行った。論文の刊行は2024年度に予定されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね実施計画どおりに研究を遂行することが出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も当初の研究計画に沿って遂行していく。
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