Project/Area Number |
22K13290
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 05030:International law-related
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Research Institution | Tohoku Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
加藤 雄大 東北医科薬科大学, 教養教育センター, 講師 (70802221)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 国籍 / 無国籍 / 国籍剥奪 / 市民権 / 成員資格 / 属人法 / 地位 / 国際法 / ハーグ国籍法抵触条約 |
Outline of Research at the Start |
「各国は、誰が自国民であるかを決めることができる」。このような国際法規範は広く受け入れられている。しかし、或る国が「自国民ではない」と決めるとき、その効果は事実上他国にも及ぶことになる。たしかに、その「他国」もまた、その人を「自国民ではない」と決めることができるが、その決定がもちうる効果は、著しく予測困難なものとなる。諸国が併存する限り、各国の権能の承認は、或る国の権能の効果を無化しさえすることがある。ならば、成員資格は、国際法によって実体的に規律されうるか。もしされうるとすれば、いかなる論拠と態様によるものでありうるか。本研究は、戦間期以前の理論と実行を素材として、これらの問いを問う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、Cambridge大学Churchill Archive Centreを訪問し、同館所蔵のNoel-Baker Papers内に含まれる史料を収集した。研究実施計画との関係においては、計画当初、前年度に予定していたものであるが、感染症の世界的蔓延を理由に延期して、本年度に実行したものである。 本研究の目的は、概していえば、戦間期の国籍に関する国際条約・国際慣習・法の一般原則を明らかにすることにある。その目的との関係において、本年度に収集した史料は、戦間期にイギリス国際連盟代表を務めたPhillip Noel-Baker(1889-1982)が、第一次大戦後のおよそ10年間の国際連盟難民高等弁務官Fridtjof Nansen(1861-1930)と協働において、国籍を剥奪されたり、本国が消滅したりして無国籍となった人々の法的地位の確定を模索した記録である。その中には、諸国がそうした人々の法的地位をめぐる関連する国際会議の議事録や覚書、要人との書簡・電報が含まれる。 第一次大戦後の講和諸条約は、16世紀の宗教戦争を終結のために採用された「領主の宗教は領民の宗教」(cuius regio eius religio)の原則さながら、ネーションの境界と国家の境界を一致させることが国際平和に資すると想定していた(「民族性原理」などと呼ばれる)。他方では、戦争が惹起した敵味方の境界をめぐる緊張は、さらに国籍剥奪措置の汎化を生み出していた。こうした環境において国際的視点から模索された解決の過程は、戦間期の国籍に関する国際条約・国際慣習・法の一般原則にかかわる関連行為体の認識の動態を示すものであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度は、感染症の世界的流行の影響も残り、研究計画通りとはいかなかったものの、本年度は、必要な史料収集を行うことができており、おおむね順調に推移しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究計画としては、収集した一次情報を相互に対照し、研究計画に予定したかたちで成果としてまとめることを予定している。
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