Project/Area Number |
22K13295
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 05040:Social law-related
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Research Institution | Hosei University (2023) Teikyo University (2022) |
Principal Investigator |
藤木 貴史 法政大学, 法学部, 准教授 (20846399)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2025: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 労働基本権 / 日米比較 / ビジネスと人権 / 第一修正 / 基本権 / 労働組合 / 集団的労働法 / SDGs / 団体行動権 / 言論の自由 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、「ビジネスと人権」の問題に対する集団的労働法規制について、理論的基礎を解明することを目的とする。集団的労働法は、労働組合をはじめとする様々なステークホルダーが、複数企業との団体交渉を行い、コンプライアンス状況をモニタリングする等の、個別企業に限定されない救済メカニズムを予定しているからである。そこで、①労働分野の「ビジネスと人権」に関するステークホルダーは誰か、それらのステークホルダーが「ビジネスと人権」問題の解決に果たす役割は何か、②個別企業を超えた人権侵害を防止し、適切な苦情処理を可能とするために、集団的労働法は、どのような規制を提供するべきか、という問題に取り組む。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ビジネスと人権の問題に関連する集団的労働法規制についての理論的基礎の解明を目的とする。具体的には、①誰が労働問題のステークホルダーとして想定されてきたか・各ステークホルダーが問題解決のためにどのような役割を期待されてきたか、②集団的労働法が企業を超えた就労者の人権保護のための規制をどのように提供すべきかである。 令和5年度は、①について、ステークホルダーがどのような利害関係をもつかを明らかにする第一歩として、本体的なステークホルダーである労使間における利害関係の分析を試みた。具体的には、業務関連費用の負担関係に着目し、労働者・企業が、労働契約上どのような費用を負担すべきといえるのか、また裁判例上の取り扱いはどうなっているのか、を検討した。 また②について、(1)アメリカ合衆国最高裁判例に焦点を当てたアメリカ労働法研究を行った。具体的には次の二点が明らかとなった。第一に、アメリカ法においては、連邦最高裁の構成員の変化に伴い、企業の枠を超えて行われる団体行動に対する規制の枠組みに、変化の兆しがみられたこと。第二に、憲法上の「財産権」理解により、企業の枠を超えた就労者の団結権保障の強度が変化しうることである。さらに(2)日本法についても、現代の雇用慣行(日本的雇用慣行)のもとで、企業の枠を超えた法的保護が十分といえるかを検討した。人権にかかわる紛争(市民的労働問題)の解決のためには、集団的労働法の基礎概念を問い直す必要がある可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
海外学会に参加して知見を広め、個別の論点についての端緒的研究にも着手はできた。しかし、所属研究機関変更等の事情に伴って、作業の進捗が遅れたため、当初予定していた中間考察を示す段階には到達せず、企業の枠を超えた就労者保護のための集団的労働法規制についての理論的基礎の解明のための、包括的な観点を示すことはできていない。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の遅れを踏まえ、課題に対する理論的視座を示す作業の実施に努める。
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