Project/Area Number |
22K13311
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 05060:Civil law-related
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
八木 敬二 成蹊大学, 法学部, 准教授 (10897432)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 民事訴訟 / 団体訴訟 / 司法制度 / 法的利益 / ADR |
Outline of Research at the Start |
近年、複層的な実体的利益、すなわち公益と私益の中間に位置付けられるような実体的利益の理論的な類型化が進められ、当該利益をどのように取り扱うべきかという議論が進められている。そのような研究に先鞭をつけたのは民事訴訟法学であったものの、現在はこの種の議論が停滞し、その反面として、多数当事者訴訟に関心が集中しているように見受けられる。そこで、ドイツ・フランスの議論を参照し直し、多数当事者訴訟の論理・体系では拾いきれない法的利益・実体的利益を承認するための場として裁判所が機能し得るのかという点を民事訴訟法の観点から研究する。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度においては、民事手続法制に関する文章をいくつか公表する中で、今後の研究に関する若干の見通しを獲得することができた。 まず、人事訴訟手続等のIT化に関するフランス法の状況を調査・研究するとともに、家事事件に関する日本の近時の判例を検討する機会を得て、家事事件の紛争解決法制についても研究の手を伸ばすこととなった。家事事件では紛争解決の局面においても通常の民事事件とは異なる考慮が働くということを改めて認識し、通常の民事手続とはやや異なる様相を呈する消費者裁判手続特例法上の手続について研究を深める上で、有益な視点を獲得できたように思われる。 次いで、適格消費者団体等による解散申立て・破産申立ての可能性について、若干検討を加える機会を得ることができた。消費者被害については、団体訴訟を通じた救済方法が確立されつつあるところであるが、それでもなお、破綻必至のスキームを採用して消費者被害を増加・拡大させる悪質事業への対応策としては十分に機能しないのが現状である。そこで、①破綻必至商法を停止させるための行政処分の創設、②行政庁による破産申立権の創設、③違法収益剥奪のための行政手法の創設、④会社法の解散命令の活用・拡充などの法制化が検討されるに至っている。そのほか、団体訴訟制度の延長に位置付けられる仕組みとして、適格消費者団体等による解散申立て・破産申立てという制度があり得る。団体訴訟を扱う本研究との関係で検討に値する問題であるが、萌芽的な議論であることも相俟って、なお検討すべき点が残されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画と異なり、従来の民事手続法制が直面している問題について様々に検討することを通じ、問題領域に関する視野を広げ、研究の裾野に係る認識を深めることができた。本研究の中心とする消費者裁判手続特例法に関しても、若干の検討を加えることもできた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究を開始する契機となった消費者裁判手続特例法の展開について、前年度・前々年度の研究成果も踏まえ、改めて本格的に研究を行う。具体的には、フランス・ドイツ・日本の法改正について調査し、自らの理論に取り入れることで研究を発展させ、何らかの形でその成果を公表することを目指す。
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