Project/Area Number |
22K13353
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 06020:International relations-related
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
湯浅 拓也 大阪産業大学, 国際学部, 講師 (50846524)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | キリスト教 / 国際文化交流 / 宗教 / 外交史 / 人物研究 / 河井道 / 婦人平和協会 / 平和運動 / 近代日本外交 / ジェンダー |
Outline of Research at the Start |
本研究は、国内外の一次史料の分析を通じ、戦前期日本における女性キリスト者知識人による平和運動が日本外交にどのような影響を与えたのか明らかにすることを目的としている。 近年、外交官や政治家だけでなく、知識人・財界人・文化人たちの対外実践や思想も含めて、 戦前期の日本外交を捉え直す研究が進められているが、女性知識人が果たした役割はほとんど注目されてこなかった。この研究上の空白を埋めるために、本研究では婦人平和協会に注目し、女性キリスト者知識人の対外実践と思想を明らかにする。その上で、女性平和運動と日本外交の接点を示し、女性平和運動がどのような影響与えたのか明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2年目となる2023年度は、継続して基礎的な史料の収集を行うとともに、史料の読解、既存の研究との関連性について研究を進めることができた。これらの調査や分析を通じて、次の2点について研究成果を発表した。 第一に、日本国際文化学会2023年度全国大会(於:名城大学)にて、共通論題③「『国民国家以後の時代』の国際文化交流再考ー理念、主体、媒介を中心にー」 に報告者の一人として登壇し、「国際文化交流における宗教ー近代日本のキリスト者とミッショナリーの関係性からー」と題した報告を行った。近代日本のキリスト者と外国のミッショナリーの関係性、特に第一次世界大戦期におけるYWCAの国際的なネットワークについて報告を行い、本研究プロジェクトの成果を踏まえて、女性キリスト者の視点から国際文化交流における宗教が果たした役割について報告を行った。 第二に、本研究プロジェクトの成果に関連するコラムや書評を発表した。国際情報ネットワーク分析IINAでは「G7広島サミットの成果と今後の日本外交の課題: 「価値をめぐる外交」についての歴史的教訓から考える」と題したコラムで、戦前期から続く日本の価値観外交を踏まえて、現代日本外交について解説を行った。また、日本外交史研究における人物研究という観点から、「日本政治外交史における人物研究の新たな可能性を切り開く一冊――外交官・石井菊次郎をめぐる三つの視点から戦争の時代を論じる」と題した書評を発表した。コラムや書評は本研究プロジェクトの中心をなすものではないが、既存の研究との関連性を明らかにすることができたと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究期間の2年目にあたる本年度は、1年目から収集を続けてきた史料の読解を進め、戦前期日本外交における女性平和運動の実態や中心となっていた河井道についての分析を進めることができた。新型コロナウイルスの蔓延によって、アメリカ史料館での現地調査の実施が困難であることが明らかとなり、1年目は「やや遅れている」と判断したが、本年度は国内での一次史料の収集、国内外の専門書の購入することができ、またこれら史料の分析も進んでいることから「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画で示した通り、研究機関の最終年度に当たる本年度は、これまでの調査や分析の結果を踏まえて、研究成果を発表することを目標としている。国内外の査読誌はもちろんであるが、近年のジェンダー研究の広がりも踏まえて、解説やコラムなどでも積極的に情報発信を行っていきたい。
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