Project/Area Number |
22K13363
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 07010:Economic theory-related
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
高橋 悠太 一橋大学, 経済研究所, 講師 (10835747)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
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Keywords | スタグフレーション / 低成長 / 慢性的不況 |
Outline of Research at the Start |
本研究では日本経済の低い成長率や,それに付随するパズリングな経済現象に焦点を当て,その原因を特定することを目的とする.かつては日本特殊的だと考えられてきた低成長の問題に,現在では多くの先進国が直面しはじめているのではないかと考えられている.こういった状況の下で日本経済の注目度は再び高まっている.本研究は,日本のマクロ経済政策形成にとって有意義なだけではなく,マクロ経済学への一般的な貢献があり,広く先進国一般の政策形成にも資するものである.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、2005年以降の経済成長率の低下を説明するため、投資財相対価格の動きに注目して、技術進歩の低下が経済の成長をどの程度押し下げたかを検証している。2023年度にさまざまな大学やワークショップで発表したところ、投資財の多くは貿易財であるため、現在の閉鎖経済のモデルでは現実をうまく描写できていないという指摘をもらった。2023年度はこの閉鎖経済モデルを国際経済モデルに拡張し、分析をより精緻にした。開放経済モデルにおいても、中間投入財貿易が最終価格に与える影響は限定的であることがわかった。その一方で投資財貿易の影響が多大であることが予想されるが、データの制限からこの部分は分析が難しいことも別途確認した。
上記した実績と並行し、投資財価格の下落の原因を理解するために、産業組織理論の手法を用いた分析も開始した。PoSデータの購入が完了し、データクリーニングを行い、すでに初等的な分析結果が得られている。まず、価格弾力性に強い仮定をおき、価格変動を技術革新とマークアップの変化への分解を試みた。その結果この初等的な推定手法で問題があることがわかり、それを解決するためにミクロデータを申請した。2024年度はこのミクロデータを用いた分析を用い、発見された問題の解決を目指す。 最後に付随した研究として、技術の停滞が日本のインフレにどのような影響を与えたのか、という論文も様々なカンファレンス・国内の大学で発表し、海外英文ジャーナルへの投稿を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究プロジェクトは閉鎖経済から解放経済への拡張が終わり、海外英文ジャーナルへの投稿をスタートさせている。2024年度はジャーナル掲載を目指す。付随したインフレーションのプロジェクトも同様の段階であり、プロジェクトは順調に進んでいる。また、PoSデータを用いた分析も順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は2つの論文の掲載を目指す。スタグフレーションの論文はすでに英文ジャーナルへの投稿を一つ終え、レフェリーレポートを受理した。このレフェリーレポートがあげた問題点は、ほとんど全て技術的な問題点や、論文の書き方へのコメントであった。これらの問題点を素早く解消し、ドラフトを改訂し、他の英文ジャーナルへの投稿を予定している。 成長理論のプロジェクトも同様のフェーズにある。すでに英文ジャーナルへの投稿を一つ終え、レフェリーレポートをいただいた。このレポートはかなり好意的なものがあり、建設的なコメントを複数いただいた。それを論文に反映し、ドラフトを改訂する予定である。これも改訂が終わり次第再度英文ジャーナルへの投稿を目指す。
最後に、PoSデータを用いたプロジェクトでは、申請したミクロデータを組み合わせた分析を開始する予定である。この分析に必要なPythonのコードの準備はすでに終わっており、申請したミクロデータが手元に準備出来次第、分析結果がわかる予定である。この分析手法でも再度問題が生じる可能性がある。2024年度は、この問題が生じるかを確認し、生じなかった場合は論文の初稿を準備する予定である。また同時にワークショップでの発表も開始する。一方でこの推定においても問題が生じた場合は、さらにミクロデータが必要になる。この追加で必要となるミクロデータを研究協力者たちと議論し、再度ミクロデータ申請をする予定である。
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