Project/Area Number |
22K13407
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 07040:Economic policy-related
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
麻生 裕貴 神戸学院大学, 経済学部, 准教授 (00866387)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | 人口変動 / 世代間階層移動 / 経済発展 / 財政政策 / 経済成長 |
Outline of Research at the Start |
近年、先進国では急速な少子高齢化の進行と所得階層の固定化が問題となっている。本研究では、人口変動を考慮した世代間階層移動モデルを構築することで、少子高齢化と所得階層の固定化の解消および持続的な経済成長の達成に有効な財政政策を理論的に解明する。さらに、定量分析を行なうことで、先進国で効率的な財政政策と財源配分が実施されているかを解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は昨年度に定式化した内生的に決定される異質的出生率を組み込んだ世代間階層移動モデルの解析的な分析を進めた。熟練労働者と非熟練労働者間の出生率の差が大きいほど,人口成長率は大きく変動し,それが所得移転の変動を通じて世代間階層移動に多大な影響を与えることが明らかになった。とりわけ,人口変動の効果は人口が増加する場合と減少する場合で異なる。人口成長率が大幅に増加する場合,世代間階層移動は循環的な動きとなることを示した。一方で,人口成長率が減少する場合,十分に発展した経済では出生率の減少が世代間階層移動を促進させるが,そうでない場合は所得階層が固定化してしまう貧困の罠に陥ってしまうことが明らかとなった。加えて,内生的寿命を組み込んだ世代間階層移動モデルを分析することで,経済発展の増加による寿命の急激な増加が世代間階層移動の変動に決定的な役割を果たすことを示した。 また,出生率が財政に与える影響についても発展があった。公的債務および子育て補助金を導入した内生的成長モデルをもちいることで,財政赤字の拡大が出生率を減少させ,財政の維持可能性を悪化させることを示した。加えて,子育て補助金の増加は出生率を増加させるが,子育て補助金の額がGDPに対して大きすぎる場合,出生率が増加したとしても財政破綻を引き起こすことが明らかとなった。以上から,人口変動を考慮した世代間階層移動,経済成長,財政政策の効果の分析に大きな進展があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
人口変動を考慮した世代間階層移動モデルを構築し,これを解析的に分析することで,今まで軽視されていた人口変動が世代間階層移動および経済発展に決定的な影響を与えることを明らかにした。現在のところは,研究計画に記した通りおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は構築した世代間階層移動モデルに税金や補助金などの政策変数を導入し,StataやMatlabなどの計算ソフトウェアをもちいてシミュレーション分析を行なう。そうすることで,財政政策が人口変動,世代間階層移動,経済成長に与える効果と効率性を明らかにする。
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