土地利用規制が都市成長に与える影響の実証的検証:軍事的土地利用に着目した自然実験
Project/Area Number |
22K13411
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 07040:Economic policy-related
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
高野 佳佑 一橋大学, 大学院経済学研究科, 特任講師 (10909964)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | 土地利用規制 / 都市成長 / 自然実験 / 接収 / 土地利用 |
Outline of Research at the Start |
都市内の土地利用形態の決定を全て市場に委ねることは必ずしも最適ではない.その為例えば,外部不経済抑制や公共性の高い大規模都市基盤の整備の観点から,土地利用への政策介入は往々にして正当化される.一方これら介入は,時に市場需要に応じた都市開発を妨げる費用ともなる為,介入による多角的影響を詳細に検証することが必要である.しかし,介入形態が各場所の経済要因により人為的に決定されるという内生的なプロセスが,介入の影響を計測する上で妨げとなる.本研究は,太平洋戦争から朝鮮戦争期にかけて日本の大都市圏で行われた軍事的な土地強制買収・接収という,外生的ショックに着目し,政策介入の因果効果を明らかにする.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,【事例A】世界大戦終結から朝鮮戦争停戦までの10年に渡り,市街地の大部分が米軍に接収を受けた横浜市,【事例B】大戦期に農地・宅地の強制買収によって整備された大都市近郊の大型緑地,という2つの自然実験に基づく独立した研究課題を通じて,土地利用規制が都市成長に与える影響の検証を行うものである.2022年度は,データセットの構築が比較的早い段階に完了した,【事例A】を対象とする研究課題について,先行して分析を進めた.具体的には,アウトカムとして用いる町丁目別事業所数の集計や,接収地域に関する空間データの整備を進めた上で,当初予定していた通り,差の差法を用いた効果検証を行った.この分析により,接収地域内では接収地域外に比して,戦後に事業所数が減少しており,その負の影響は1974年になっても持続していたことを示唆する結果が得られた.また,こうした負の影響が生じた結果について,市内での集積地の移転をはじめとした,背後にあるメカニズムの検証もあわせて行った.これら結果を速報値として取りまとめた上で,8月の61th ERSA Congress,12月の第36回応用地域学会研究発表大会をはじめとした国内外の学会・セミナーにて報告した.これら対外報告の際に行った,都市・空間経済学をはじめとする様々な分野の専門家との意見交換を通じ,2023年度以降研究を継続する上での作業方針の策定を行った.2023年度上期中に,これまで得られた結果をディスカッション・ペーパーとしてまとめた上で,成果を対外的に公表予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
【事例A】横浜市の市街地接収の影響分析とそれに向けたデータ整備について,2022年度中に行うことを想定していた範囲について,予定通り進めることができ,それに基づく対外報告を行うことができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
【事例A】横浜市の市街地接収に関する研究課題については,これまで得られている分析結果に関する精査を引き続き行うととともに,必要に応じた追加分析を積み重ねる予定である.また,結果を取りまとめた上でディスカッションペーパーとして公表し,今後の議論の叩き台として活用できるものとする.【事例B】土地強制買収によって整備された大型緑地に関する研究課題については,データの取得及び整備に当初の想定以上の時間を要しているため,2022年度中に成果として取りまとめ,報告するまでには至らなかった.2023年度中にデータ整備を完了した上で,予備分析及び本分析への着手を行う予定である.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)