Empirical Analysis of the Effect of Hospital Performance Disclosure on Physician-Patient Matching and Regional Healthcare Disparities
Project/Area Number |
22K13418
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 07050:Public economics and labor economics-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉田 惇 九州大学, 工学研究院, 助教 (80821826)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 医師ー患者間マッチング / 実証分析 / 治療成績開示 / ミクロデータ |
Outline of Research at the Start |
晩婚化などの理由から不妊症が増加し、不妊治療の需要が高まっている。しかし、その成功率は非常に低く、ほとんどの患者が失敗を繰り返している。本研究では、英国で実施された個々の不妊治療病院の治療業績公開を自然実験と して利用し、病院の業績公開が患者―医師間マッチングの効率性(重症患者が能力 の高い医師の下で治療を受け、成功率が改善したか)と医療の質の地域間格差に与える影響(重症患者の治療成功率の高い病院の増加率が大都市とそれ以外でどのよ うに異なるか)を明らかにする。この研究によって業績公開政策の利点・欠点が示すことができ、この政策を不妊治療に対して実施するべきか明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
病院間の比較情報の開示が患者の病院選択に与える影響については多くの研究があるものの、病院選択だけでなく、病院をかえたことで医師ー患者間のマッチングが効率的になり、治療の成功率が改善したのかは明らかにされていない。2022年度は、以上の課題について、Human Fertilisation & Embryology Authority (HFEA)が収集した英国の不妊治療患者の個票データを用いて検証した。このデータには、患者の年齢、過去の治療回数、治療内容、出産できたかなどの詳細な情報がある。このデータを用いて、回帰不連続デザインにより治療成績公開が転院確率に影響したかを分析した。次に、転院によって治療成績は改善したかについて分析した。ここで、患者が転院するかどうかは個人の選択によるものであるため自己選択バイアスへの対処が必要である。本研究では、患者にとってはランダムな出来事であり、直接治療成功率には影響しない「成績開示があったかどうか」を操作変数として使用した。適切な操作変数か判定し、2SLS推定量を求めた。 分析の結果、成功率開示が転院する確率を引き上げたことが明らかとなった。さらに、過去の治療回数が多い人(失敗を繰り返している人)ほど転院確率が大きく、治療回数が5回以上の患者は、転院確率が50%増える結果となった。2SLSの結果、転院による治療成功率の変化は患者の年齢に応じて正負どちらも検出された。すなわち、40歳以上は成功率が上がり、39歳以下は逆に成功率が下がる結果となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データに関しては、パネルデータに関しては整備中によりまだ使用することができていないものの、pooled cross-sectionデータを取得することができた。このデータを用いることで、新たに分析上の課題は生じたものの、当初の計画にもとづく研究を進めることができた。なお、ここでの研究成果については、ワーキングペーパーの形で公表した。しかし、新型コロナウイルスの流行により、予定していた国際学会に参加することができず研究者からコメントを得ることが非常に困難な状況だった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスによる渡航条件が緩和されたので、2023年度は主に国際学会で発表し、コメントを得るとともに、国際ジャーナルに投稿予定である。その後は、病院数の市区町村パネルデータを作成し、長期的な視点から医療の質の地域間格差に与える影響を分析予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)