| Project/Area Number |
22K13444
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
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| Review Section |
Basic Section 07070:Economic history-related
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| Research Institution | Momoyama Gakuin University |
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Principal Investigator |
豆原 啓介 桃山学院大学, 経済学部, 准教授 (30824297)
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| Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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| Budget Amount *help |
¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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| Keywords | エネルギー政策史 / フランス / エネルギー政策 / 経済史 |
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| Outline of Research at the Start |
従来、安全保障史の視座から扱われることの多かったフランスの原子力政策を、経済史的・社会史的な視点から捉えなおすことを目的とし、研究計画を以下のように設定する。まず、フランスにおいて、エネルギー政策・原子力政策の立案に深くかかわった、3機関(計画庁(Commissariat du Plan)エネルギー委員会、原子力庁(CEA),原子力発電委員会(Commission PEON))の史料を丹念に読み解とき、原子力主力化政策がいかなる要因によって形成されたのか特に経済的な側面から再検討を行う。また、原子力発電所の設置には地域の理解と合意が欠かせないが、フランスがいかにこの問題に対処したのか分析する。
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| Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、高度成長期からオイル・ショック後の1980年代に至るフランスのエネルギー政策を、一次史料を収集・精査しながら、分析を進めた。特に、フランス国立文書館(Archives nationales)が所蔵する、計画庁(Commissariat general du Plan)のエネルギー委員会(Commission de l'Energie)および、産業省(Ministere de l'industrie)の一次史料を参照しながら、分析を進めた。分析枠組みとしては、フランス電力公社(Electricite de France), フランス石炭公社(Charbonnages de France), および国家の三者から成る関係性の推移に、特に着目しながら分析を進めた。
当該期のフランスでは、一方で石油の普及、他方で石炭業の衰退と原子力発電の飛躍的な増産によって特徴づけられる。フランスでは、第二次世界大戦後には、石炭を筆頭とする化石燃料が著しく不足を見たことから、政府が水力開発に注力した点はすでに先行研究によって指摘されてきた。また、第一次オイル・ショックを契機として、原子力開発が大いに進展した点についても、指摘されてきた。しかしながら、50年代初頭からオイル・ショック以前にいたる期間については等閑視されており、不明な点が多い。そこで、一次史料・統計資料・二次文献を用いながら、本論点の解明を目指しているが、60年代中葉以降のフランスでは、フランス石炭公社の余剰石炭をフランス電力公社が大量に引き取ったこと、また、炭鉱に設置されたフランス石炭公社の自家発電所で生産された電力を同様に、石炭業斜陽期にフランス電力公社が大量に購入することでフランス石炭公社の経営を支えた事実を把握した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、フランスの文書館を訪問の上、一次史料を調査・撮影の上、当初の研究テーマに沿って、史料の分析・精査に時間を費やすことができた。また、国際学会における研究成果の報告は、研究期間における大きな目標のひとつであったが、2023年6月には、パリにおいて開催された国際学会、国際フランス経営史学会(Congres international d'histoire d'entreprises en France)（於フランス国立工芸院[Conservatoire national des arts et metiers]）にて、パネルにて「電力セクターのエリートと電力整備計画―第二次世界大戦の影響と帰結」(Les elites dans le secteur electrique, les programmes de l'amenagement electrique, la traversee et les suites de la seconde guerre mondiale)と題して報告を行った。内容としては、ヴィシー期フランスにおいて策定された電力整備計画、特に炭鉱の自家発電所の整備計画が、第二次大戦後のフランスのエネルギー政策にも大きな影響を与え、水力発電とともに、戦後の電力増産に大きく貢献した点について、実証的に論じた。本学会での報告をもって、科研費研究期間の前半部分における総まとめとすることができた。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後は、引き続き、エネルギー政策史・エネルギー産業史関連の史料を参照しながら、高度成長期から80年代にかけての、フランスのエネルギー政策史/産業史の変容について、精査・検討していく予定である。これまでの研究期間中には、原子力政策の歴史的分析について十分に分析できなかったため、本年度および来年度は、原子力政策の歴史的分析を中心的な課題として設定して研究を進めていく。特に、フランスの場合、二度の原発事故（1979年スリーマイル島原発事故および1987年チェルノブイリ原発事故）を経てもなお、原子力開発計画に大幅な変更・修正を加えずに、従前の政策を貫いたという点に特色を持つ。フランス原子力政策に関する二次文献の検討から始め、原子力庁(Commissariat d'energie atomique)を中心とした一次史料の分析、さらに隣接領域である科学技術史・ジャーナリズム史なども視野に入れながら、フランスにおける原子力政策の変容を解明していきたい。
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