Project/Area Number |
22K13514
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 07100:Accounting-related
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Research Institution | Tohoku University of Community Service and Science |
Principal Investigator |
松尾 慎太郎 東北公益文科大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (10790868)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 監査判断 / 監査報告 / 監査意見 / 監査上の主要な検討事項 / Toulmin / 財務諸表監査 / Toluminモデル |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、監査判断プロセスを反映した透明性の高い監査報告モデルを提示することである。我が国の監査報告書における「監査上の主要な検討事項」の実態調査を通じて、①記載内容の分類整理によりリスク評価の傾向を把握し、②記載内容のボイラープレート化の程度を検証し、③市場の反応についての検証を行う。監査判断プロセスを反映した透明性の高い監査報告モデルの構築により、会計監査教育へのフィードバックが期待され、監査品質の持続的な向上につながる好循環に貢献することを企図している。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、監査判断プロセスを反映した透明性の高い監査報告モデルを提示することである。この研究目的を達成するため、本研究は、①我が国の監査報告書における「監査上の主要な検討事項」の記載内容の分類整理に基づいたリスク評価の傾向に関する実態の解明、②「監査上の主要な検討事項」の記載内容のボイラープレート化の程度の検証、③監査判断プロセスを反映した透明性の高い監査報告モデルに該当すると判断した監査報告書に対する市場の反応についての検証、という3つの研究課題を設定している。 2023年度における研究実績として、研究課題の①②に関する実態調査を実施した。過去に会計処理の適切性が争われた裁判例における争点および懲戒処分における指摘事項に基づき分析視角を導出し、関係会社株式の減損処理に関する「監査上の主要な検討事項」の分析調査を行った。 ①の研究課題について、関係会社株式の減損処理に関するリスク評価を行う際の重要な監査要点として、「検討範囲の網羅性」、「実質価額の回復可能性の合理性」、「事業計画等の合理性」の3点が識別された。そして、2022年度に検討したToulminモデルにもとづく理論的枠組みのもとで監査報告書に記載すべき要素である「会計基準(裏付けB)」に関する記述が少数ではあるが確認された。また、段階的所見の記載の可能性を示唆する「監査上の主要な検討事項」が確認されたが、楽観的や保守的といった判断根拠の定量的な記載に関する課題が認識された。 ②の研究課題について、先行研究においてトピックモデルによる「監査上の主要な検討事項」の類似性の検証が行われていることをふまえ、見出しの記載方法に焦点を当て、事例ベースでの検証を行った。監査上の対応において、重要な監査要点を見出しとして明示せず、監査手続の分類を示す見出しの記載方法への変更が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
構築したデータベースをもとに分析調査を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、研究論文の執筆および学会・研究会での報告・意見交換を通じて、分析手法の精緻化を行う。論文の改訂・査読誌への投稿に取り組む。
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