Project/Area Number |
22K13519
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 07100:Accounting-related
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Research Institution | Matsuyama University |
Principal Investigator |
岩崎 瑛美 松山大学, 経営学部, 准教授 (20824577)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
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Keywords | 税負担削減行動 / 税務行動 / 多国籍企業 / 国別報告書 / 国際課税 / BEPS / 租税回避 / 無形資産 |
Outline of Research at the Start |
OECD /G20により,BEPSプロジェクト及び経済のデジタル化を契機とする抜本的な見直しが行われており,現在,世界経済を牽引している無形資産の比重の高い多国籍企業が,これまでのように税務上の恩恵を得ることが困難になると考えられる。 本研究では,わが国の多国籍企業が低税率国に無形資産を移転させ,企業グループ全体としての税負担を軽減させているのかを実証的に明らかにする。さらに,国際課税ルールが見直されているなかで,日本企業の国際税務戦略を実証的に明らかにすることにより,証拠に基づく政策立案に資する,現行税制の改善案を提案することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
当該年度の研究では、国別報告書の提出がわが国の多国籍企業の税務行動にどのような影響を及ぼすのかを検証した。その結果、国別報告書導入後の2018年以降、国別報告書の提出義務のある企業が税負担削減行動を抑制したことが明らかになった。したがって、国別報告書の導入は、グループ総収入金額が一千億円以上のわが国の多国籍企業においても、税金の透明性に資する一定の効果を上げていることが示唆された。 わが国では、2016年度税制改正により、グループ総収入金額が一千億円以上の特定多国籍企業については税務当局に対して国別報告書の提出が義務付けられることになった。先行研究では、国別報告書が公開非公開のどちらでも、国別報告書の導入後に多国籍企業の税負担削減行動が抑制されることが明らかにされている(De Simone and Olbert 2022、Joshi 2020、Joshi et al. 2020、Overesch and Wolff 2021、Sabljic et al. 2022)。しかし、わが国での国別報告書の導入の効果は申請者が知る限り検証されておらず未解明であった。 当該年度の研究は、グループ総収入金額が一千億円以上の特定多国籍企業が国別報告書を提出しなければならなくなったことで、2018年以降の税務行動が変化した可能性を示唆している。したがって、無形資産を利用した利益移転を行うことにより企業グループ全体としての税負担を軽減させていた多国籍企業の税務行動にも変化が見られる可能性を示唆している。 なお、産前産後休暇及び育児休業を2023年12月から2025年1月まで取得することから、当該研究を一時中断する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Orbis IPのデータベースを2023年5月より契約したことからデータ取得が遅れており、また、産前産後休暇及び育児休業を2023年12月から2025年1月まで取得することから、それとともに当初の研究実施計画にずれが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
育児休業を2025年1月初旬まで取得予定であるため、2025年1月から,ビューロー・ヴァン・ダイク社の『Orbis IP』と所属大学で利用できる『日経NEEDS-Financial Quest2.0』から取得したデータを整理する。2025年2月から7月は計量分析により,無形資産を利用した国際税務戦略が現在実施されているかどうかを検証する。その後、研究成果を研究会や学会にて報告し,コメントを踏まえて論文を執筆する。
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