Project/Area Number |
22K13520
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 07100:Accounting-related
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
向 真央 久留米大学, 商学部, 准教授 (00882474)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2026: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 社債市場 / 信用リスク / 格付 / バッドニュース / 経営者予想利益 / イベント・スタディ / 財務会計 / 会計情報の有用性 |
Outline of Research at the Start |
社債市場における会計情報の有用性に関する実証的証拠は十分に積み上げられておらず,社債市場において会計情報がどれほど有用な情報を提供しているのかについても解釈の余地が大きい。 本研究は社債市場における会計情報の意思決定有用性について実証的に明らかにする。本研究では,株式市場と社債市場を対象に会計情報に対する市場反応を比較検証することで,社債市場で観察される独自の特徴を明らかにするとともに,有用となる会計情報の新たな発見を目指す。 これらの検証は,日本の社債取引をより活発化させると考えられる。また会計制度の設計や企業の情報開示に示唆を与えるとともに,社債研究を大きく前進させることが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、私は二本の論文を執筆した。最初の論文「利益ベンチマークと信用格付」では、日本企業の利益ベンチマーク達成が日系格付機関(RIおよびJCR)の信用格付に与える影響を分析した。この研究により、企業が利益ベンチマークを達成した場合、格付が向上する確率が高いことが示された。特に、ゼロ利益ベンチマークの達成が格付向上に最も関連していることが明らかになった。この結果は、日系格付機関のアナリストが利益ベンチマーク達成を信用リスク評価の重要な要素と捉えていることを示唆している。 二本目の論文「租税負担削減行動と信用リスクの関係性」では、企業の租税負担削減行動が信用リスクとその不確実性に与える影響を調査した。分析の結果、租税負担削減行動が積極的な企業は、信用リスクが高く評価される傾向があることが示された。さらに、租税負担削減行動の程度が高くなるほど、格付機関間の評価のばらつき(格付スプリット)が大きくなることが明らかになった。これにより、租税負担削減行動が企業の財務透明性を低下させ、信用リスクの評価に不確実性をもたらすことが示唆された。 これらの研究成果は、企業の会計情報が信用格付の決定要因としてどのように機能しているのかを理解する上で重要な知見を提供する。また、企業の利益管理や税務戦略がどのように信用リスクに影響を与えるかについての理解を深める一助となる。これにより、企業の財務健全性を評価するための新たな視点を提供し、今後の研究や実務に貢献できると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度,上記に記したように,「利益ベンチマークと信用格付」と「租税負担削減行動と信用リスクの関係性」を発表している。これらの研究は,どちらも信用リスクに関する研究であり,社債市場と深く関係している。 また,現在も引き続き,信用リスクに関する研究を継続していることから,今年も新たな証拠を提供できることが期待される。 以上のことから,研究はおおむね順調に進んでいると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度まで,おおむね計画通りに,研究を進めることができている。しかしながら,データベースの購入や国内出張費が思いのほかかかっており,国際学会への参加ができていない。また,コロナ等の影響もあり,海外出張ができていないことから,海外ジャーナルへの投稿ができていない状況である。今年は国際学会での報告を行い,海外ジャーナルへ投稿を目指したい。
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