Project/Area Number |
22K13548
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | タイ深南部三県 / 沖縄 / 公共圏 / コンフリクト解決 / Thailand's Deep South / Okinawa / Public Sphere / Conflict Resolution / コンフリクト |
Outline of Research at the Start |
本研究では、国民国家の周辺地域の構造的類似性のあるタイ深南部三県と沖縄が、どのようにハーバーマスの概念を応用し、コンフリクト解決のための「公共圏」の形成が可能かを研究する。タイ深南部には、市民社会の研究者が中心でメディアを通して「公共圏」にあたる市民が集まり議論する共通空間が生み出され、現在では政府と抵抗・独立派の交渉テーブルが設けられる段階までに進んでいる。しかし沖縄にはその「公共圏」は未だに存在していない。本研究では、タイ深南部で進められている「公共圏」のダイナミズムを検討し、それをモデルとして沖縄で反米軍基地のコンフリクト解決のための「公共圏」の形成を実証的に試み可能性を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、2023年4月1-9日に本研究目的2「脱民主的タイの政治的文脈と地域住民の権利を限定する安全保障法と戒厳令が発令されている文脈の中で、なぜ深南部三県ではコンフリクト解決のための『公共圏』の形成のイニシアチブがあるのか、またその『公共圏』のダイナミズムは何か」について、2022年度から引き続いてタイ深南部三県において追加でのインタビュー調査を行った。 2023年5月11-16日にタイ市民社会について長年調査の経験がある琉球大学鈴木規之教授ともにコンケン県とウドンタニ県近郊農村の調査フィールドにおいて参考のフィールドワークを行った。そして2023年7月7日-8日に大東文化大学で開催された日本タイ学会2023年度研究大会に参加し、鈴木規之教授と「タイの開発と市民社会形成のプロセス-プラチャーコム(住民組織)のダイナミズム-」をテーマに共同発表を行った。 2023年11月2-3日にはチェンマイ大学社会科学部で開催された第3回タイ人類学・社会学全国大会に参加し、鈴木規之教授と「Area Studies and Research on Development and Civil Society」をテーマにタイ語で共同発表を行った。 2023年11月17日-18日には鈴木規之教授と琉球大学で国際セミナー「International Seminar on Development and Civil Society in Thailand and Lao PDR」を主催し、タイ深南部三県の研究者を招待して研究成果の発表と意見交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度では、研究目的1,2,3を明らかにする予定であったが、別の研究プロジェクトに研究分担者・研究協力者として参加する必要があったため、研究目的2のみの調査実施にとどまった。 研究目的2は、具体的には「脱民主的タイの政治的文脈と地域住民の権利を限定する安全保障法と戒厳令が発令されている文脈の中で、なぜ深南部三県ではコンフリクト解決のための『公共圏』の形成のイニシアチブがあるのか、またその『公共圏』のダイナミズムは何か」である。 予定通り調査実施が行えなかった研究目的1と3は、具体的には以下の通りである。 研究目的1は、「タイより民主化や地方分権が進んでいる日本の文脈の中で、なぜ沖縄にはタイ深南部三県のような『公共圏』が未だに存在していないのか」である。 研究目的3は、「沖縄で深南部三県のような、研究者が中心となりメディアがそれをサポートする形での『公共圏』のモデルが形成可能であるのか」である。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は最終年度としてまだ明らかになっていない研究目的1,3,4を全て明らかにする。具体的には以下の通りである。 研究目的1「タイより民主化や地方分権が進んでいる日本の文脈の中で、なぜ沖縄にはタイ深南部三県のような『公共圏』が未だに存在していないのか」については、文献調査に加え、戦後日本から、沖縄の復帰前後と今までの民主化と政治文脈を検討する。また、メディア分析により現在の反米軍基地によるコンフリクト当事者の相互作用について明らかにする。 研究目的3「沖縄で深南部三県のような、研究者が中心となりメディアがそれをサポートする形での『公共圏』のモデルが形成可能であるのか」については、沖縄の研究者とメディアや他の市民社会アクターなどにインタビュー調査を実施する。 研究目的4「沖縄でコンフリクトの関係者を集め、コンフリクト解決のための『公共圏』を試みる」に関しては、琉球大学でのアクションリサーチによる『公共圏』の構築を試みる。具体的には、沖縄の反米軍基地によるコンフリクトの関係者、研究者、メディア、一般住民などを招いて公開ワークショップを開催し、反米軍基地によるコンフリクトの方策を議論する。
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