地域労働市場のマッチングシステムの意義と可能性:担い手間のガバナンス分析を中心に
Project/Area Number |
22K13567
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 08020:Social welfare-related
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Research Institution | Kanazawa Seiryo University |
Principal Investigator |
神崎 淳子 金沢星稜大学, 経済学部, 准教授 (00569353)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2022: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
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Keywords | 地域労働市場 / 継続職業教育 / 首都圏中核人材還流事業 / 中小企業人材対策 / デンマーク / 中間的就労支援 / 地域労働市場政策 / 職業訓練 / 就労支援 / 地域経済産業政策 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、生活の場である地域に注目し、特に地方都市や過疎地域など条件不利地域にも目を向けた、地域労働市場のマッチングシステムの意義と可能性を検討する政策研究である。地域労働市場のマッチングシステムとは、地域雇用政策における産業政策側面(地域資源の開発、事業化、マネジメント)の各段階と、雇用政策側面(タスク調整による仕事づくり、職業能力の把握、職業能力開発)の各段階を調整する仕組みを示す用語として使用する。地域雇用政策のガバナンス研究の視点から、基礎自治体レベルの関係主体にインタビュー調査を行い、地域生活を支える資源と仕事のマッチング、技能取得、社会参加の場づくりの意義と課題を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
地域労働市場におけるマッチング機能として、大学、企業、行政が地域コンソーシアムとして実施した首都圏からの中核人材の地方中小企業への還流事業を調査した。首都圏中核人材が地方中小企業で就労体験を行い、移住を決意するまでの経験やその中での葛藤、マッチングの成否に対する労働者側の主張やその背景などについてインタビュー調査を行った。また、インタビュー調査の準備として参加者全員の報告書資料から、首都圏中核人材と地方中小企業の期待の差や就労現場でとみられた両者の意識のズレの調整プロセスをテキスト分析した。この成果は、地域レベルで行う職業訓練制度の意義と課題の視点からまとめ、発表した。 また、就労阻害要因を持つ労働者や求職者の支援について、中間的就労モデル事業を行っている釧路市を訪れ、行政と社会的企業との連携について調査を実施した。この調査では、行政と社会的企業や関連組織との役割分担や権限の範囲、両者の役割決定の背景についてインタビュー調査を行った。また、事業継承課題や組織文化づくりなど、各組織間だけでなく各組織内のガバナンスについても継続調査を行っている。この調査内容については、引き続き関係期間への調査を行いつつ、分析内容をまとめて報告、発表を行う。 その他には、2025年度以降のデンマーク調査の準備として、オーデンセ市のジョブセンターの組織や職務分担に関する事前調査を行うとともに、3月に現地調査を行った。この成果については、研究会内で報告をし、発表のための準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は地域労働市場に関する事前調査と先行研究分析を行うことを当初計画としていた。釧路市のように雇用就労機会が多くない地域や求める人材ニーズを満たす求職者を採用できていない地方中小企業において、どのようなマッチングの支援や政策が、労働市場政策として機能するかという論点について、事前調査を実施することができた。また、地域レベルで労働市場のマッチング政策に取り組むデンマークの地方自治体調査を行った。先行研究の整理について、OECDのLEEDプログラムなど地域就労支援事業などについての検討を行っている。今後は、日本における地域労働市場政策の系譜の理論的背景について検討したいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
第一に、2022年度の調査内容について、先行研究を踏まえた分析を行い研究成果として発表する。首都圏還流事業のインタビュー調査、釧路市における中間的就労支援事業の関係諸主体のガバナンス分析、デンマーク地方自治体の労働市場政策について、それぞれ成果物を生むことに取り組む。首都圏還流事業については、インタビュー調査の分析により労働条件のミスマッチと企業文化の課題が指摘できる。また、釧路市中間的就労支援事業については2006年の事業開始以降の組織課題と連携課題に注目し、地域レベルで連携する事業の持続的な活動支援の意義とそのための克服課題について検討したい。デンマーク自治体労働市場政策は、地方自治体間の労働市場政策のガバナンスの相違点について分析する。その際、地方自治体ごと地域産業や労働市場構造に注目し、労働市場政策の計画策定にどのような要因が影響するかについて、地域ごとの特徴を分析する。これらの論点について、分析、追調査をおこない、学会内での報告、論文発表を行うことを目指す。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)