潜在化する社会的孤立の連鎖を断つための思春期の危機に関する研究
Project/Area Number |
22K13581
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 08020:Social welfare-related
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Research Institution | Tokyo University of Social Welfare |
Principal Investigator |
河合 純 東京福祉大学, 社会福祉学部, 講師 (60906741)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | 社会的孤立 / 子どもの貧困 / ひきこもり / 不登校 / 精神疾患 / ヤングケアラー / 地域包括ケアシステム / 精神疾患の予防 / 教員のメンタルヘルス / 発達障害支援 |
Outline of Research at the Start |
潜在的に問題を抱え、今後社会的孤立になるおそれのある児童・生徒は未だ実態が見えない状態であると言える。誰にも相談できない、味方がいない、孤独を抱えているという「思春期の危機」を抱える対象の児童・生徒に対して、学校内で全体を把握し、メンタルケアについても精通しているのは養護教諭であると仮説を立て、全国の養護教諭1万人に対して実態調査を行い、社会的孤立にあるおそれのある児童・生徒に対する予防的介入ガイドラインを作成する。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究目的は、社会的孤立に陥るおそれのある「ヤングケアラー」等に対して、早期に介入することによって、成人後の孤立や発症を防げるという仮説を立て、調査を実施していく。校内において、孤立や精神病のリスクなどを予見することのできる存在である養護教諭が、ヤングケアラーなど、成人し生活が不安視される症例について、予防的に働きかける必要性を感じながらも未支援のまま卒業してしまい、その経過を追えない状態であると推察できる。 1)調査対象 全国の小中学校、約30,000校の約3割にあたる10,000校を層化無作為抽出により抽出し、全国の市町村を、都道府県単位で11地区に分類、各地区において、大都市、人口などよって5つの都市規模別に分類し調査を実施した。養護教諭が把握するヤングケアラーの実態と社会的孤立になるおそれのある症例の検証を行った。 2)調査期間、方法 調査期間は2022年9月25日~2022年10月31日で実施した。分析には統計解析ソフト、IBM SPSS Statistics 27 を用いた。統計学的有意水準は5%とした。『社会的孤立やヤングケアラーについて』(1)~(20)の質問に対して、5件法[5:かなりそう思う 4:少しはそう思う 3:どちらともいえない 2:あまりそう思わない 1:全くそう思わない]によりそれぞれ回答を求めた。各項目に1点~5点を与え加算して項目平均点を算出した。 3)倫理的配慮 本研究を行うにあたり、東京福祉大学倫理委員会の審査を受け承認を得た。本調査においては、調査への協力は本人の自由意思によるものであり、協力しないことにより不利益を受けることは一切ないことを紙面で伝えた。 4)結果 回収状況は、協力が得られなかった教育委員会から返送されたアンケートを除く8732票発送、882票回収(10.1%)、有効回答数は853票であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アンケート調査において、回収率が低かった要因として以下の2点が言える。1)回答をグーグルフォームによって行うように設定したが、各都道府県のセキュリティー対策として、校内のパソコンからはグーグルフォームで回答できない自治体があるということがわかった。それによって、協力する意思があっても回答ができないことが要因の一つであると考えられる。2)政令指定都市等へは不登校支援担当課へ各学校分を同封し、連絡ポストなどを使い配布を依頼した。多忙であること、このような依頼は一切受けていないなどの回答から協力が得られなかった。このような二つの要因から、予想していたような協力を得ることができなかったと思われる。また、教員の多忙さを考慮し、質問も短時間で回答できるように工夫をしたが、それでも「時間内に終わらなかった」などの指摘ももらっており、より簡略した質問票の作成が求められていると感じた。
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Strategy for Future Research Activity |
アンケート調査と同時に、定時制高校における、対面、オンラインによるヤングケアラー実態調査の準備を行っている。そこで以下の2点が言える。1)オンラインによる調査は、信頼関係が構築されていないと非常に難しい。理由としては、不登校経験など様々な理由で入学した生徒がすぐに信頼関係を構築し、オンラインによる相談などに乗ることは非常に難しいことが対面での調査で明らかとなってきた。2)オンライン相談に関して、物理的にWifi環境がないことによって長時間、オンライン相談などに回線をつないだままの状態が難しい。そこには、家庭的な問題、貧困なども見え隠れしている。 このような調査で把握することができた課題について、それに関する対応策を検討していく。オンラインだからこそ相談しやすい利点もあるが、対面における相談も実施できるように信頼関係を構築できるように定時制高校の保護者や生徒と継続し、面談等を実施していくことにより課題を解決していきたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)