複合差別に苦悩する障害者の救済-カナダ・非営利組織の活動からの示唆-
Project/Area Number |
22K13582
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 08020:Social welfare-related
|
Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
北畑 彩子 聖徳大学, 教育学部, 講師 (40779881)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2025: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
|
Keywords | 複合差別 / 障害先住民 / 先住民 / カナダ / 非営利組織 / インクルージョン / 社会的包摂 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、障害者について、その他の差別要因も内包する事態を取り上げ、社会的な包摂の論理と支援の方策を模索しようとするものである。具体的には、カナダにおいて活動を活発にしている障害女性を代弁する組織と、障害先住民を代弁する組織の活動の展開についてそれぞれ検証した上で、両組織を比較検討する。これによって、障害に加えて差別要因として「女性」を複合している場合と、「民族」を複合している場合に共通する社会的包摂の論理と、それぞれに固有の支援方策について明らかにできると考えている。マイノリティの中でもマイノリティの位置にある人々に対して、非営利組織という社会資源がいかに活躍できるかを解明していく。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、障害者について、障害以外の差別要因も内包する事態を取り上げ、社会的な包摂の論理と支援の方策を模索しようとするものである。この目的に照らして本研究では、多文化主義国家・カナダの障害先住民と障害女性に着目し、彼らを擁護する非営利組織の問題認識及び支援活動を研究対象としている。2023年度は、障害先住民が直面する課題の整理のために、次の3つの作業を実施した。 (1)先行研究レビュ―:日本社会福祉学会、障害学会等に参加し、複合差別の研究者と情報交流を行うと共に、複合差別に関わる先行研究を検索・収集・整理を行った。これにより複合差別の構造分析に欠かせない視点として、制度、権力、社会規範(ジェンダー、文化、宗教を含む)、個人の偏見が挙げられることが分かった。 (2)報告書の分析:カナダの障害先住民の当事者組織及び支援者組織が発行している直近の報告書を分析し、障害先住民が直面している課題を整理した。主要な課題として、適切な教育機会、交通機関、住宅、福祉・医療、雇用、レクリエーション、文化活動を含むサービスへのアクセス困難が明らかとなった。この困難の背景には、①サービス供給量の圧倒的不足、②連邦-州政府間のサービス費用負担に関する絶えない紛争、③先住民の文化的な配慮がなされたサービスの欠如があることが判明した。 (3)成果の発信:上記成果の一部をより広く周知することを目的に、日本カナダ学会の情報媒体に研究紹介として寄稿した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は元々国内で入手可能な研究及び資料の整理を計画していたため、特に外的要因の影響は受けずに、予定の研究課題を遂行することができた。当該研究課題については、2023年度に発表予定であったが、2022年度中に一部公表することができた。以上の理由から順調に進展していると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、カナダの障害先住民が置かれた状況と、関係する非営利組織の支援活動について現地調査を通して実際的な動向を把握する予定である。カナダでの現地調査に向けて、2022年度の成果を踏まえ、調査項目の選定と精査の上、大学倫理委員会への申請を行い、現地の非営利組織関係者にインタビュー調査を実施する。研究成果は、国内の学会にて発表予定である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)