Research on the Characteristics and Reactivation of Japanese style Jacquard loom
Project/Area Number |
22K13619
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 08030:Family and consumer sciences, and culture and living-related
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Research Institution | Saga University of Arts |
Principal Investigator |
上田 香 嵯峨美術大学, 芸術学部, 准教授 (50510583)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
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Keywords | 紋織機 / 金襴 / 織物 / デザイン / インターラクティブ / 伝統染織工芸 / ジャカード織 / 伝統工芸 / デジタル化 |
Outline of Research at the Start |
日本の着物文化を代表する西陣織などの多くは、紋織機で織られている。紋織機は、明治初期にフランス・リヨンから西陣に持ち込まれたジャカード織機が着物・帯用に進化したもので、棒刀(ぼうとう)、伏セ(ふみせ)等の独自の仕組みが追加され、現在では西洋のジャカード織機と大きく異なっている。ジャカード織機の紋紙データがデジタル化されたことを踏まえ、海外の研究者と連携して、日本式ジャカード織機、絹糸の特性を明らかにし、意匠設計ソフトの英語化等の環境も整備し、海外からの利用を促進する。加えて、特性を学術的に明らかにすることにより、斬新な意匠、新素材を用いた生地が織れる織機として再評価、再活用されることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
紋織機の特性を明らかにし、新規開発を行うために、勤務校内にデジタルデータで動作する手織り紋織機を導入した。殆どが中古品である為と、販売元も部品により全く異なることから、多くの箇所から部品を購入し、完全に設置が完了するまでに手間と時間が掛かった。勤務校が産地「西陣」の近隣であったことから、設置、修理、指導に至る一連の工程が円滑に行うことが出来たが、もし市外であれば修理、質問などが出来ず、使用に至ることが出来なかったのではなかったかと考える。それほど、使用法だけでなく設置も難しい機械であった。しかし、最終的には晩秋から試運転ができるようになり、学生も含めて本年度中に使用を開始することが出来た。また、ポーラ美術財団からの助成金で運営していた「Textiles Summer School 2022」では、「日本式ジャカード織機」をテーマにし、海外チームとの遠隔コラボレーションを行った。日本式と西洋式のジャカード織機の違いを映像化、遠隔であっても日本の織り機で実際に織ることを試みるなど、今までにない取り組みを行い、海外のみならず、日本のデザイナーにも関心を持ってもらった。 また、「日本式ジャカード織機」だけでなく最近注目されている「スマートテキスタイル」もテーマとすることで、伝統から革新を考える機運が海外4チーム、国内4チームの全てから感じることが出来た。 参加者のチームの中からは、今年度の学会発表を予定する声も聞かれており、私自身も発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
手織り紋織機の設置には費用、時間、熱意が必要であることは想定していたので、概ね順調であるとは言えるが、思っていた以上に設置に時間がかかり、調整、使用方法が難しいなどの問題もあり、完全に使いこなすところまでは行っていない。また、デジタル化に関してもまだまだ可能性はあるものの、結果としてスムーズいかなかった部分もあり、若干遅れていると感じている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究に必要不可欠な紋織機の運用が開始し、より具体的な実験が行えるようになってきた。 また、2022年度に行った「Textiles SummerSchool 2022」によって、西洋式ジャカードでは出来ないデザインについて多くの意見が上がり、今後もこのテーマに期待する研究者のネットワークが出来上がった。今年度は、昨年から行ってきた研究についての発表も積極的に行っていく予定である。 なお、現在の普及している日本式ジャカード織専用のソフトウェアでは、シミュレーション(特に3D)を行うことが難しいが、パラメトリックデザインを可能とするソフトウェア、そして一般的になってきたプログラミングにより、紋織機のデジタルデータ制作に新たな展開が生まれると感じている。今後は、専門家との連携により、紋織機によるパラメトリックデザインを可能にするための研究を行う。最終的には、織物の3Dシュミレーション、また、シミュレーション機能を持つ日本式ジャカードに特化した織データ制作ソフトの開発までを行いたい。 一方、紋織機には、日本ならではの素材にうまく適応してきた歴史がある。現在、極端に太さの違う糸や、テープ状の糸を織ることは一般的な西洋式ジャカード織機では難しく、日本式ジャカード織機のこの特性は「スマートテキスタイル」などの分野における新規開発に適していると言える。伝統的な織り機を用いて「伝統から革新」を生むには、糸などの素材の開発も重要である。織物、織り機、素材に対する知識を活かした、全く新しい素材の開発を促進する。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)