Project/Area Number |
22K13652
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 09020:Sociology of education-related
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
竹内 正興 香川大学, アドミッションセンター, 教授 (20749981)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 面談 / 生徒が最終決断(決定)する / 教員が大学の魅力を語る / 生徒の譲れない点の確認 / 不本意入学 / 進路指導 / 進学納得度 / 面接指導 / 配分 / 希望進路 / 不本意入学予防 |
Outline of Research at the Start |
高等学校の進路指導では,生徒の夢や希望(なりたい自己)と,現実的な適性や能力に応じた進路先の確保(なれる自己)のバランスを考慮しながら,最終的には,卒業後の進路先の確保(進路保障)を重視した進路指導が行われている。本研究では,不本意入学の予防という観点に着目して,現在の生徒の夢や希望と,希望とは乖離することがある現実に即した進路先の確保について,現在の高等学校の進路指導現場がどの時期にどの程度重視し,また,実際にどのように指導しているのかを,質問紙調査とインタビュー調査によって明らかにすることで,今後の高等学校の進路指導現場に,不本意入学者減少のための新たな指導観点の提供を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,「どのような進路指導を行えば,不本意入学を防止できるのか」という問いを検証するため,進学校における現在の高等学校の3年間の進路指導において,生徒の希望進路と実際の進学先の確保(配分機能)を,どの時期にどの程度重視し,実際にどのように指導しているのかについて高校階層別に明らかにすることを目的としている。 これまでに,進路指導を行っている複数の高校の先生への聞き取りと予備調査を実施し,高校内でコースが細かく分かれ地域のトップ進学校か進学中堅校かの判断が難しい私立学校や中高一貫校を調査の対象から外した上で,2023年12月に全国の進学校777校に本調査を郵送で依頼した(回答はWEB形式)。その結果,292校(回収率37.6%)からご協力をいただくことができた。 調査の結果,明らかになったのは,主に次の3点である。①全体では,生徒の希望を重視した指導のスコアは高校入学時から高校2年生夏休み頃まではとても高いが,高校2年生の秋以降,徐々に下降し,高校3年生1月以降の受験直前期で合格の可能性を重視した指導のスコアに逆転される。②トップ進学校と進学中堅校では,生徒の希望を重視した指導と合格の可能性を重視した指導の高校3年間での傾向が異なる。具体的には,進学中堅校については,①の全体傾向と同様,合格の可能性を重視した指導のスコアが高校3年生1月以降に,生徒の希望を重視した指導のスコアを上回る一方で,トップ進学校では,高校3年間を通して,生徒の希望を重視するスコアが合格の可能性を重視したスコアを上回る結果となった。③生徒の不本意入学を予防するための指導として最も多かったのが「面談」であり,高校入学後の早い段階から,複数回の「面談」を通して生徒の納得度を高めているという回答が目立った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
仮説の設定,複数の高校の進路指導担当先生への聞き取り調査,調査票の設計,予備調査の実施,分析,分析結果をもとにした複数の高校の先生への再度の聞き取り調査,仮説の再設定,本調査の実施,本調査のデータ集計・分析まで,ややスケジュールが後ろ倒し気味ではあったが、計画通りに進めることができている。 (2)おおむね順調に進展している,としたのは,研究内容については成果が得られたものの,スケジュールが予定よりもやや遅れ,現段階で,研究成果について公表できていないためである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後,本調査で分析した結果(成果)を,2024年9月に開催予定の日本教育社会学会で研究発表する予定としている。また,本研究では,不本意入学を防止するための指導の対象高校として,トップ進学校,および,進学中堅校を設定したが,大学進学率の上昇が続く中で,進路多様校における不本意入学を防止するための指導について問題関心が広がっている。
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