Project/Area Number |
22K13692
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
太田 満 奈良教育大学, 社会科教育講座, 准教授 (80804385)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 移民学習 / 引揚げ / 残留 / 引揚 / 戦後北東アジア / 教材開発 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、まずはじめに戦後北東アジア人口移動に関わる研究や先行実践の収集・整理・分析を行い,引揚・残留を取り上げた教材開発の下準備をします。次に、戦後北東アジアの引揚・残留の教材開発を世界的視野で検討できるように,残留者家族の足跡を調査したり,欧米圏の学術大会に参加したりします。最後に、戦後北東アジアの引揚・残留学習の教材開発を行い,授業モデルを開発し、研究成果を公表します。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度の第一の研究成果は、中国東北地区からの日本人引揚者や、中国やサハリン等の残留日本人、在日コリアンへの聞き取りを実施したことである。聞き取りの対象者は以下の通りである。(ア)戦中に樺太で生まれ育ち、幼い時に家族と共に満州に渡り、戦後に日本に引揚げ、奈良県内の戦後開拓に従事した日本人(奈良県在住)、(イ)戦中に満州に渡り、戦後に中国人家庭に預けられて残留孤児となった日本人(奈良県在住)、(ウ)残留孤児の孫として高校生の時に両親と共に日本に渡ってきた日本人(奈良県在住)、(エ)戦中に樺太で生まれ育ち、その後、様々な理由により残留を余儀なくされた日本人3名(北海道在住)、(オ)戦中に家族と共に日本に渡り、戦後は故郷に帰れず日本に残留したコリアン(大阪府在住) 第二の研究成果として、上記(ア)の聞き取り内容の一部が、太田満(2023)「樺太から満州、そして生琉里から鈴原へー浦洋子さんの人生」、『生きる』46号、いのちと平和を考える会、に掲載されたことである。 第三の研究成果として、戦後北東アジア人口移動に関わる研究や移民学習論に関わる最新論考を収集できたことである。 本研究では,戦後北東アジアで行われた引揚や残留に着目し,その生活体験を収集・整理して教材開発を行い,北東アジア社会における民族移動や社会変動を視野に入れ,難民化や強制移動を位置づけた移民学習論の再構築を図ることを目的としている。本年度は、引揚げ者や残留者の生活体験を幅広く収集して整理すると共に、移民学習論に関する最新情報を収集することができた点で意義がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画上、今年度は、戦後北東アジア人口移動に関わる研究や先行実践の収集・整理・分析を行い,引揚・残留を取り上げた教材開発の下準備をすることにある。国内在住の当事者への聞き取り等、研究は概ね順調に進展できたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナの影響や、ロシアへの渡航が難しくなったことを受けて、今年度は、国外在住の当事者への聞き取りはできなかった。今後の研究課題としては、中国東北部(旧満州)やサハリンにおける調査が挙げられる。具体的には九一八歴史博物館(瀋陽)や東北淪陥史陳列館(長春)等を訪問し,写真資料や教材等を収集する。また,サハリンでは,旧内淵炭鉱(ブイコフ)や強制徴用犠牲者追悼館(ユジノサハリンスク)等を訪問し,サハリン残留コリアンからライフヒストリーの聞き取り調査を行う。サハリンへの渡航が難しい場合は、カザフスタンでの調査を先に行うこととする。これらの記録や現場で得た写真資料を整理し,教材化のための準備を行う。
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