Project/Area Number |
22K13701
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
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Research Institution | Shikoku University Junior College |
Principal Investigator |
河野辺 貴則 四国大学短期大学部, その他部局等, 講師 (30881510)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | アイヌ / 道徳 / 教材開発 / 道徳科教科書 / 人権教育 / 道徳教育 / 人権課題 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、人権課題「アイヌの人々」に関する差別や偏見を是正することを題材とした道徳教材開発を図るため、アイヌ文化の継承や発展の拠点である国立アイヌ民族博物館への臨地調査を実施する。また、調査結果を基にアイヌの人々への偏見や差別を是正することを題材にした道徳教材を開発することを試みる。 なお、開発した道徳教材を学校教育の実践の場で試行し、当該授業が人権教育を通じて育てたい資質・能力の育成に寄与しているのかを検証する。本研究は、人権課題「アイヌの人々」に係る偏見・差別の解消に向けた道徳教材開発についての学術的な知見を提供するものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、①アイヌの人々を題材にした道徳地域教材に埋め込まれた教材開発の視点の検討、②アイヌ民族の測量技手として三信鉄道の測量に尽力した川村カネトの生涯に関する資料収集、③アイヌに係る偏見・差別の解消に向けた道徳教材開発を推進した。 ①に関しては、北海道版道徳教材「きた ものがたり」に掲載されている「アイヌの人々」を題材にした読み物教材に関する教材の特色や内容項目の傾向を整理した。また、当該資料の分析を通して、アイヌ民族としての誇り高い生き方を生涯貫いた人物やアイヌの人々との共生を目指す生き方を生涯貫いた人物の伝記資料が道徳教材開発の視点になり得ることを確認した。 ②に関しては、11月に「放送ライブラリー」を臨地調査した。川村カネトは絶壁が続く難所として工事が難航したJR飯田線の開通に欠かすことができない人物であると共に、人々の偏見という心の壁に勇気をもって立ち向かった人物として紹介されている記録を確認した。また、児童文学のノンフィクションというスタイルで世に送りだされた『カネト炎のアイヌ魂』を収集し、道徳教材開発に向けた準備を進めた。 ③に関しては、アイヌに対する差別や偏見という壁に対峙し続けた川村カネトの伝記資料を基に、「公正, 公平, 社会正義」を主題とした「アイヌの人々」を題材とした道徳教材を開発した。なお、令和5年度の研究成果については、日本道徳教育学会が開催する研究大会で報告すると共に、本研究の副次的な成果として人権課題を題材にした道徳授業に関する学術的な知見を書籍や学会誌で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3年計画の2年目である令和5年度では、北海道版道徳教材「きた ものがたり」の分析を通して、「アイヌの人々」を題材にした道徳教材開発に関わる視点を整理した。 また、人々の偏見という心の壁に勇気をもって立ち向かった人物として紹介されている川村カネトに関する伝記資料に関する臨地調査を実施し、「アイヌの人々」を題材にした道徳教材開発に向けた資料を収集した。そして、1年目に収集した資料と2年目の研究成果を基に、「公正, 公平, 社会正義」を主題とした「アイヌの人々」を題材とした道徳教材開発を推進することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
3年計画の最終年度である令和6年度では、本研究で開発した道徳教材を学校教育の実践の場で試行し、授業記録を収集する。なお、収集した授業記録から「人権教育を通じて育てたい資質・能力の構成要素」を抽出し、本研究で開発した道徳教材を使用した道徳授業が実際に人権教育を通じて育てたい資質・能力の育成へのアプローチになり得るのかを検討する。 また、授業分析によって抽出された「人権教育を通じて育てたい資質・能力の構成要素」を基に、今後の人権課題を題材とした道徳教材開発の可能性を検討する。そして、本研究の研究経過や研究成果については、国内外で開催される研究大会において報告し、研究成果の還元に努める予定である。
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