Research on classroom culture that fosters co-agency through dialogue in mathematics learning
Project/Area Number |
22K13708
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
松島 充 香川大学, 教育学部, 教授 (70804128)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 学級文化 / 現象学 / Care / 対話 / エピソード記述 / 身体化認知 / Co-agency / 民主主義 / 数学学習 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は,すべての子どもが対話によって数学学習をつくり上げる学級文化の要素の同定とその育成方法,そして学級文化に着目したCo-agency育成への提言である。 学級文化の分析方法においては,小学校1年,小学校4年,中学校1年の3学級に継時的に3年間の関与観察を行い,子どもと教師と研究者の間で生じている学級文化を間主観的に記述し分析する。 理論研究では,関与観察から得られた結果を数学教育の先行研究の視点から再分析して論文としてまとめ,国内外の学会で発表する。 最終的な研究結果は,香川県内の全小中学校に配布するとともにwebページでも公開する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度から継続して行っている3学級(2023年度は小2、小5、中2)への関与観察を行った。原則として週に1回程度の関与観察を行い、観察結果を現象学を用いたエピソード記述として担当教諭に返却しつつ蓄積した。2023年度は、2022年度の1年間のエピソード記述を分析し論文化した。中1の学級文化の形成過程では、過程の価値観の醸成、努力の価値観の減少、自律的な学習者の育成、よい数学学習のグループや学級の具体化などの変容過程を明らかにし、日本数学教育学会第55回秋期大会にて発表した。この発表時の議論では、学級文化のアンケートを用いて量的に価値観の特定をしなくても現象学を用いれば価値観の形成過程を探求できるのではないかという示唆を得ることができた。なお小4の学級文化の形成過程については2024年7月のPME47で発表予定である。 Co-agency育成の基盤となる学級文化に関する理論研究においては、学級内の合意形成におけるEthicsに着目し、日本数学教育学会第11回春期大会において発表した。この発表時における議論から、数学学習時におけるCareの概念の重要性を再認識できた。また数学学習時におけるCareのための具体的手立てとして、複数の数理科学的な選択肢とその前提となる価値観についての対話の重視や、認知特性を生かした学習素材の選択、数学的表現体系の翻訳、身体化認知の視点の重視を論文や書籍原稿で主張してきた。身体化認知については、本研究の研究グループにおいて、何度も議論を重ねた。理論的前提と複数の具体的事例を確認することで、身体化認知を基盤とした算数・数学科の授業研究への準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3学級への関与観察とデータ収集は2年間順調に進行してきた。その分析も順調に進んでいる。研究計画当初に援用を想定していた社会的規範と社会数学的規範を区別したMcClain & Cobb(2001)の研究は、文化としての規範を分類することはできるが、規範を見出すことが難しい。そのため現象学を援用して学級文化の分析を進めていることが、学級文化のデータ収集が順調に進んでいる大きな要因だと考えられる。 理論研究においては、Co-agencyの基盤となる学級文化におけるCareの重要性についてさらなる研究が必要なことがわかってきた。数学を理解するとは何かについての認識論を身体化認知に求めることで、学習者個人と学習対象の両者をCareすることによって広くCareをとらえることで、学級文化に学習者の理解を含みこんで研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
3学級への関与観察は、2024年度が最終となる。3年間の3学級への関与観察を行うことで、小1から中3までの関与観察を行うことになる。これらのデータを現象学を用いて分析していく。 理論研究においては、Co-agencyの基盤となるであろうCareに満ちた学級文化の理論的分析と、関与観察から得られたデータを対比していく。Careについては、他者へのCareはもちろんのこと、学習対象である数学へのCareを視野に入れ、算数科・数学科の学習内容についても考察を深める必要があると思われる。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)