Project/Area Number |
22K13713
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
平本 督太郎 金沢工業大学, 情報フロンティア学部, 教授 (20591176)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2024: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2023: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | SDGs / 意識変容 / 行動変容 / ESD / バックキャスティング / 未来 / 変容 / 学習指導要領 / ゲーミフィケーション教材 |
Outline of Research at the Start |
社会を変革する際には、教育によって変革を促すことが有効である。そして、教育による変化は、意識から変わり、行動が変わり、そして社会全体が変わるというステップで起こっていく。学習指導要領の改定によって小中高で主に総合・探求に関連する授業に組み込まれるSDGs教育/ESDは、そうした社会の変化を促す取り組みである。しかし、現段階ではSDGsに関する知識の提供に留まっている事が多い。 本研究では、特定の副教材を用いたSDGs教育/ESDを小中高で実施した際に、児童・生徒が意識、そして行動を変化することを教育によって促すことが出来るのかを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度においては、昨年度に引き続き、希望する教育機関に対して、教材「Beyond SDGs人生ゲーム」の配布を行い、導入校は308校に達することとなった。これらの導入校を対象に、Beyond SDGs人生ゲームを活用したSDGs教育/ESDを小中高で実施した際に、生徒・児童に対して意識変容・行動変容を促すことができるのかを明らかにする。令和5年度においては、「行動事例の共有を中心とした行動変容の促進を目的とした教育プログラムの設計・教育法の構築」、「テキストマイニングと行動変容段階尺度を用いた行動変容の確認・検証、学年等の違いによる意識変容の差や共通点の抽出」を行った。成果として、意識変容に基づいた行動変容の有無の確認と、多くの生徒・児童に共通する行動変容内容の抽出、ルーブリックを用いた評価方法の確立を行った。 また、より多くの生徒・児童の行動変容を促すために、全国8か所で教員に対するESD対面研修を実施した。研修に参加した教員が自分たちの学校に持ち帰り、実践することで、より多くの生徒・児童に展開することが可能となる。開催場所は、東京都、石川県、岡山県、広島県、静岡県(2回開催)、兵庫県、沖縄県、北海道である。 さらに、2023年度7月にユネスコ本部(フランス パリ)で行ったディスカッションにより、本教材について世界的にニーズが高くなっていることを確認した。クライメイトアングザエティという気候変動に関係して絶望感が若者間で広がり、持続可能性の実現を阻害しているため、その対抗策になる可能性があると考えられたためである。その後、タイのユネスコ本部のアジア拠点にも訪問し、同様に高い評価を受け、その後2023年12月18-20日開催の第1回ESD-NET Global Meetingへの招待を受け、取り組みを約80カ国約300名の参加者に紹介することとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度においては、教材の提供先である教育機関の教員からのアンケートを108名から取ることが出来、教員自身の意識・行動変容、及び生徒・児童の意識・行動変容についての調査分析を行うことが出来た。また、現在、その結果の一部を論文としてまとめているところであり、2024年度中に投稿できる状況に至っている。 また、関連する取り組みが、シミュレーション・ゲームに関する国際学会の世界大会「ISAGA2023」(The 54th edition of the International Simulation and Gaming Conference)において「Best Exhibition Stand of ISAGA 2023」を受賞する等、国際的にも高い評価を受けることが出来、今後の研究の発展可能性を見出すことが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
PBLとの接続という点においては、各教育機関で進めているPBLに差があるため、積極的に教材を活用してくれている教員にアプローチをしつつ、さらなる行動変容を促せるPBLのモデルの確立を行うことを目指す。 また、本年度開発したルーブリックについても、上記のPBLとの接続に合わせて改良を加えるとともに、教員からのフィードバックを反映しながら、多くの教育機関での活用が可能なものへと発展させていくことを目指す。 課題としては、生徒・児童の意識・行動変容の状況把握方法があげられる。現在は、教員に対する調査によって、生徒・児童の意識・行動変容の状況把握を行っているが、本来は直接調査を行うことが望ましい。他方で、協力いただく教員の負担が大きくなってしまうことにより、教材の積極的な活用の妨げになってしまうと研究成果の社会実装が進まなくなってしまう。そのため、現在、積極的に教材を活用してくれている教員と対話をすすめながら、より最適な研究手法を模索することが課題になる。
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